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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.16 )
- 日時: 2010/08/26 10:49
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
僕は母親の顔をあまり憶えていない。
実際会ったことがあるのは十歳の時と十二歳の時と十五歳の時だ。
家にはほとんどいなかった。
それは父親も同じ。
父親は僕が十二歳になると母親と一緒にどっかにいった。
そして母親と一緒に戻ってくる。
母親はいつも元気でおしとやかとかそんなことなくなんというかいつも自信をもっているような。
そんな母親のせいで戦争がおこる。
なぜだろう。
「“猫”は裏の世界でもとても有名で、親しまれていたんだよ。だけどその猫が死んでしまった。そしてみんなはこう考えたんだ。
誰かが猫を暗殺した。
ま、普通だよね。あの“猫”が事故ごときで死ぬはずないんだから。みんなはみんな疑った。
だから戦争。殺した者を殺すための」
「でも犯人はわからないんだろう?」
「うん。だからまだしないの。でもみんな四名のだれかが殺したと考えてるよ」
なるほど。
そう考えるのが普通だよな。
「で、お兄ちゃんが言ったとおり犯人がわからないから戦争ができない。だからみんなは今証拠を探すのに
必死なわけだよ。証拠が見つかれば即戦争だね」
危ないなー。
僕、その中に飛び込もうとしているわけだ。
やめとこっかなー。
「ま、僕もがんばってみるからね。もう一応戦争がはじまってると考えてもいい具合だし」
「ん、がんばれ」
一応昨日言っていたことの意味とかわかったし。
僕は透の部屋を出て、誰にも聞こえないように小さく呟いた。
「ほんと嘘だなぁ」
どこから嘘を吐いていたか?
それは動機のあたりから。
どうせ透も嘘だって分かってたみたいだし。
これから何をするのかは僕の自由だ。
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