PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.19 )
- 日時: 2010/08/31 16:00
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
「なあ、お前その顔どうにかならないのか?」
車の中で澪ちゃんに言われた。
ちなみに透はいない。
別の車で行くらしい。
「顔?なにかついてる?」
今日、顔になにかつくようなことなんてあったか?
「そういう意味じゃない。表情というか、その、
死んだような目に人を見下したような顔のことだ」
「………」
「…無意識、なんだな」
「…うん、まぁ」
自分では気づかなかった。
透も顔のことは何一つ言わなかったし。
人を見下したような顔、か。
「だからお前はクラスで独りだったんじゃないのか?」
独り。
僕は別にいいんだけど。
でも、そうかぁ。それが理由なのかもな。
「しかも無表情だし」
「さっき読みやすいって言ったよね?」
「ああ、あれはいつもと違う気がしたから。ほら、お前、邪気の塊みたいな感じだろ。でもそのときはちょっと違う感じがしたんだよ。断じて顔で読みやすいと言ったわけじゃない」
最後らへんはどうでもいい。
だけど邪気の塊って
殺人鬼にいわれたくないよ………!
たしかに僕は嘘吐だけど!
「あ、ついた」
僕が心の中で愚痴を吐いているうちに零無家に着いたみたいだ。
車から降りて家を見た。
………うわぁ。
零無家って澪ちゃんがあんなだから家も洋風かなって……てのは関係ない。
…でかくないか?
普通の一軒家の十…いや、二十軒ぐらいもあると思う。
僕の目の前に見たことの無い巨大な大屋敷が現れた。
PR