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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.28 )
- 日時: 2010/09/08 17:55
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
4話「友人」
「お兄ちゃん、おはよ!」
「……何」
朝の九時、自由人になった僕が起きるのにはまだ早い時間に透が部屋に押しかけてきた。
「何、じゃないよ。今日は僕の仲間に会わせるからって言ったじゃん。車の運転かつ保護者のくーちゃんが来たから呼びにきたのに」
そうだったっけ?
ていうか、僕の記憶力分かってるくせに。
「昨日言ってくれれば……」
「言ったよ」
「……」
すみませんでした。
心の中で謝っておく。
今は五月蝿い透だけど、一ヶ月前はもうちょっとおとなしくてかわいかった。
嘘だけど。
1ヶ月前も変わってないよ。
だが今日はいつもより五月蝿い。
友達のとこへ行くからか?
友達いない暦十七年の僕にはわからないことだ。
「お兄ちゃんが持っていく物はないだろうから、着替えたらすぐ家を出てよ」
そういうと透は部屋を出て階段を下りていった。
僕はすぐに着替えてまっすぐに玄関へ…ではなく、さすがに寝起きの顔はだめだろうと洗面所で顔などを洗い外へ出た。
「おー、やっと来たか縁。あんまり透を虐めんなよ」
この陽気そうな女の人は時光玖桜さんといって、唯一僕を名前で呼んでくれる人だ。
「虐めてませんよ」
僕は適当に返し、車に乗った。
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