ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.30 )
日時: 2010/09/08 23:43
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

透の友人はただの一般人らしい。

癒毬さんの手を借りる前にその友人の家にいたという。


その友人はクラスメイトというわけじゃなく、一人でいた友人に声をかけてそれかららしい。
透は学校に行かなくても勉強できたから行ってなかったんだってさ。


「独りかぁ」

「うん。その子は表のほうの情報をいろいろと教えてくれたんだ。僕がお兄ちゃんのところに来てからも、ずっと」


だから外にあまりでないのか。
追っ手とかじゃなく、出る必要がない。

「で、そんな情報通の友人が何で急に会いたいなんていうんだ?」


「さぁ。でも、友達だから。僕も会いたかったしね」


そこを右、と玖桜さんに教えながら言う。









「ここか?透」


「うん、ありがとね」



僕らはとあるマンションの前で降りた。


「ここの最上階だよ」


ちょっと古そうなマンションの中に入り、エレベーターで上がる。


ここの最上階は七階で、屋上あり。


チンッとドアが開いて、とある部屋の前に立つ。


「んじゃ押すよー」

ピンポーン……。



……あれ。

人が来る気配がしない。


「今日、家にいるのか?」


「いるはずだよ。今日行くってメールしたもん。待ってるって返事もあったし」

ふむ…じゃあなぜだろう。


数分待つと扉が少しだけ開いた。


「……誰…て、透ちゃん…!?」


細い隙間からかすかに聞こえる声。


「うん。久しぶりだね!早く上がらせて。出てこないから僕の勘違いかと思ったよ」


「あ、ごめん。はい、どうぞ。散らかってるけど……」


さっきの消えそうな声が明るい声になった。

警戒心が解けた…のだろう。


「紹介するね。彼女は月宮弧々。僕の初めての友達だよ」