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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.34 )
- 日時: 2010/09/10 22:57
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
一般人。
透のことだから変人の友達かと思ってたけど、本当に一般人なんだな。
そこらへんの女の子だ。
歳は透より一つ上だが、学年は同じらしい(透が学校に通っていた場合)。
「透、僕には君が普通の子を友達にするような奴には見えないんだけど」
弧々ちゃんは今用事があるとかで違う部屋へ行っていてここにはいない。
「うん、彼女は普通の子じゃないよ」
「は?」
吃驚しすぎてつい真をあけてしまった。
「うん、だからあの子は普通じゃないよ」
「え、だって一般人て」
「一般人だよ。でも、普通の人じゃない」
「あの子は——傍観者、だよ」
傍観者。
観る者。
「そして被害者」
「……?」
被害者?
何の?
「そうなのか、弧々」
言ったのは僕じゃない。透でもない。
玖桜さんだ。
僕たちは扉を見つめる。
キィ—————
「間違ってないよ。私は傍観者であり、被害者なの」
悲しそうな瞳で僕たちを見つめた。
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