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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.36 )
- 日時: 2010/09/12 14:22
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
「被害者って何だ」
玖桜さんが透に訊いた。
「弧々ちゃんが傍観者だってことは言ったよね?被害者は傍観者であるが故の特性だよ」
「特性?」
「傍観者であることを許される代わりに、関わった者からの悪事」
悪事。
「それが弧々ちゃんの特性?」
うん、と透が頷く。
「家では親からの虐待、学校の虐め、いろんなことがいままでに何度もあった」
「保護施設はだめなのか?」
透は横に首を振った。
「ほとんどの人は一回会話するだけで嫌な印象を持ってしまう。施設の者は我慢するだろうけど、預けられている人がそうじゃない」
…そんなだったら、弧々ちゃんは。
この世界を……。
弧々ちゃんの願い。
なんとなくだが分かってきた。
でも、それは———。
「でもね、弧々ちゃんの能力はそれほどまでに強力なんだ
その気になれば世界全体を見渡せれるほどに」
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