ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.40 )
日時: 2010/09/12 19:35
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

「私は幸せになりたかった」




僕たちが何かを言う前に弧々ちゃんが言った。

早く終わらせたいと、願うように。




「こんな、傍観者なんてなりたくなかった
 こんな特性なんて欲しくなかった
 独りで、いたくなんてなかった」



自分に言い聞かせるように語る。




「私、がんばったよね?
 こんな世界で暗い世界で
 すがりつくことしかできなかったけど」


       ココ        ムコウ
「だからもう現実にない幸せをあの世でつかんでもいいよね?」






「もう、死んでもいいよね」






掠れた声で訊く。


透の答えを待つ。


「うん……いままで、がんばったね」



弧々ちゃんは儚げに笑い、

「ありがと、透ちゃん」



堕ちた。