僕と夜鐘は反対だった。僕は夜鐘で夜鐘が僕。僕が善なら夜鐘は悪。夜鐘が有なら僕は無だ。僕たちは広場のベンチに座り世間話をした。「殺人鬼に会ったことあるのかよ」「うん、ここらで連続殺人事件があってその犯人」「…あ?」夜鐘がおかしな顔をした。「連続殺人事件?」「え、ああ。ほら、二週間前?ぐらいの」ちゃんとした時期は覚えていない。夜鐘はもっと難しい顔をして言った。「そんときの犯人、たぶん俺だ」