ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日    ( No.62 )
日時: 2010/10/03 21:11
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

僕はその名前を頭の中で繰り返す。

たしか…零無みたいな家系じゃなく、ただの集団。
なぜここに?

「…廃墟か。なぁ、ここって人あんま見ないけど通らないのか?」
「通るもなにもさっきから僕たちしかここ通ってないよ」
「……」
夜鐘が黙り込む。

なるほど、人通りが少ないから、ここか。
この廃墟、取り壊し予定もないだよな。


「どうするんだ?」
「乗り込む」
「僕は帰るぞ」
「冗談冗談。アメリカンジジョーク。俺だって乗り込みたくねぇよ。…まさかここにつくってたとはな」


と。



「よぉ」


ぞっとするほどの、殺気。


夜鐘から。

それと、僕の背後から。





「探したぜ、鐘ちゃんよぉ」




振り向くと、一人の男がいた。