ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日    ( No.67 )
日時: 2010/10/06 18:39
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

「久しぶりだなぁ」


夜鐘は殺気を撒き散らしながら、言う。

痛い。痛いよ。いたたたたた。
嘘だけど。

だが、かなり。
二人ともかなりの殺気を放出している。
ぶつかり合って火花でも散るんじゃないか?


「殺人鬼。こいつ誰だ」
「んあ?あー…あいつから訊けば?絶対に…」
「何だ?」

最後のとこがあまり聞こえなかった。

でも、本人からか。

その本人も僕に気づいたらしく、目を向けた。


「お前誰だ?」
「…嘘吐きです。あなたこそ誰ですか?」


本名なんか言うかよ。




「俺の名は——



            上総黒丸だ」






「———ぶはっ」


ふいた。
ふいたよ。ふいちゃったよ。

黒丸?黒丸って…


「どんなうけを狙ってるんですか」

「本名だ!!!!」


本名らしい。
僕は隠したぞ。


隣の夜鐘は——


「あっははははは!ひーっかっははは!何度訊いてもあきねーな、黒ちゃんよ」


大笑いだった。

遠慮がねぇ。


僕も顔が緩まないでもいいなら、笑ったけど。