ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.7 )
日時: 2010/10/10 11:20
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

僕は人気が無いところへ行く。

あの広場に行こうか。
僕以外がいたところ見たことないし。

近くのコンビニを曲がり、廃居を左折。



人が少なくなっていく道をどんどん進んでいく。


後ろからは足音が聞こえず、代わりに殺気を感じる。




「……着いた」


その広場にはやはり人がいなかった。


後ろの木からビンビンと殺気を感じる。

僕はその木から離れた。


それと同時に木から人が出てきた。

赤い帽子を深く被っているので顔はわからないがそれでもわかる。



「…岡久さん、だよね」



「…………」




なにか喋ってほしいなー…なんて。


「自分が殺人鬼だって教えたくせに、黙るんだ」


今日変える途中、僕が家へ帰る時つかう裏道で人を殺していた。

僕がその場にいたのを知っていながら。




「……今日は逢沢を殺しにきたんじゃない」


教室とは違う雰囲気だ。
…こっちが本当の岡久さんかな。

「じゃあ、何しに?」


            テラクリア
「あなたの家にいる“恐怖の透明”に用がある」


恐怖の透明?知らないな。


「知らないのか…。これは裏でしか使われてないからか?だが、共に住んでる者だろう……?」


「なにブツブツ言ってるんだ。誰だ?恐怖の透明って」



「透。それが奴の名前だ」


透…?

「誰だ?」


「な…っ、嘘を吐くな!」

て言われても知らないものは知らないんだよ。


こっちはあの家で一人で暮らしてるんだ。


「家の中を見せてもいいけど?」

僕は強がり風に言った。




「……もういい。知らないならそれでいいんだ。フム、私のことが知られてしまった。…殺すか」
「僕はこのこと誰にも言わないけど」

残念ながらこの年で死ぬ気は無い。
言うつもりも絶対にない。



見逃してくれるか…?




「そうか。それならいいんだ。お前は言いそうにないしな」

「それはありがたい」


「ああ、じゃぁ明日からたのむ」



僕は岡久さんが見えなくなるのを待ってから一言呟いた。



「嘘だけどね」