ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日    ( No.77 )
日時: 2010/10/10 11:16
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

「俺を殺せる…か。ははっ嘘も大概にしろよ」

…だよなー。あんなはったりに騙されるわけないよね。


「俺を誰だと思ってやがる。俺は黒陰団の団長だ!」


ふうん。
なるほどなるほど。
団長だったのか。こりゃ吃驚、なんて嘘だけど。
そんなの会ったときに予想リストに入ってる。

僕は目線を黒丸の顔から体へと移した。
喧嘩番長(筋肉)か。
喧嘩番長って漫画ではイケメンくんばかりだけど、だよなぁ、普通はこんなだよな。

歳が二十代の喧嘩番長じゃなければ完璧なんだけど。




「ねぇ、番長さん。これ、何に見えます?」


僕は懐から四角い物を取り出した。



「ばんちょ…っ…!?…んあ?それは…スイッチ?」



さすが。
ここまで距離が離れてても見えるのか。



「正解です。では、なんのスイッテでしょう。


 ヒント、これをおしたら…バラバラです」



比喩がおかしかったかな。
でも、分かるだろ。こんな状況でこんなもの。
ヒントなしでも予想がつく。


予想通り、黒丸の顔が青くなる。
黒丸が基地のほうへ声をかけようとする。



「無駄だよ。こんな状況でも気づかないんだから中はとても五月蝿い。番長さんの声なんて聞こえるはずがない」


本当は僕にもわかんないぜ、そんなこと。


「…いつ、仕掛けた」



「番長さんと殺人鬼が向かい合ってる隙に。僕にきづいてなかったよね」


「まぁ、話はそこまで。それじゃバイバイ。このスイッチを押すと五秒くらい経ってから爆発するから」



と。


僕はためらうことなく、それを押した。