ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日 オリキャラ募集  ( No.90 )
日時: 2010/10/18 19:22
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

七話「魔罪屋」


「闇凰財閥?」
訊くからに神凰財閥とよく似ている名前だ。

神は明るいイメージで闇は暗いイメージなのでとても対象的なのだが。



「闇凰財閥っていうのはね、神凰財閥の裏を支配する影の財閥なんだ。神凰のほうは一応表でも仕事をしてるから裏の奥にまでは手が伸ばせないんだ。それを闇凰がやるって感じ。
 で、その中で有名なのがこの殺人鬼君なのだよ」

透が夜鐘を指す。
夜鐘はポーズを決めるが、無視だ無視。


「殺人鬼君はほぼ頭脳的な財閥の中で戦闘を極めたものなんだ。財閥だからもちろん家系なのだけど、殺人鬼君は途中から入った優等生なんだね。もちろん頭がよかったわけじゃないよ」

夜鐘が「最後のは余計だ」と笑う。
透は「最後のを抜いたらさっきの全部が余計だよ」と本気で答える。


「お前って強かったんだね」
「そういってんじゃんよ」


言っていたような気もするけど、僕とはほぼ互角だったから。

もしかしたら、やりあっている途中に勘付いて本気ではなかったのかもしれない。


「そろそろ本題へどうぞ」


僕が言うと二人は今気づいたように慌てた様子をみせた。

「えっと、殺人鬼君はね、その闇凰の仕事の時に黒陰の団長と会ったんだけど…」



『——お前は強いか?』
『——さぁな。なんなら殺ってみるか?』



「っていう感じで戦ったんだけど、一緒についていってたサポーターの役目を持った人がそれをやめさせて結局決着がつかなかったんだ」


「お前、そんなに喧嘩っ早かったのか」
「うるせー、あいつはすげぇ殺気があったから強いと思ったんだ」


だからなんだよ。
理由になってねぇよ。


「それが約三年前だよ」
「三年も前?いや、三年しか?どっちにしろそんな長い間ずっとお前と戦いたがってたのか」
「そうそ、全然諦めてくんねぇんだもん」
「何々?それで闇凰に帰ってないの?」
「俺は自分の意思で帰ってねえよ。てかそれはお前もだろ」
んん?
あれれ?
ちょっと引っかかることが…。


「透って財閥の人間なのか?」


透の肩がゆれた。
少し目が開く。



「違う、違うよ。情報の関係で関わったことがあるくらい」


透は笑う。
無理やり笑顔を作る。

なにかを隠しているということは分かる。



「——あっ!」



透がパソコンに目を向ける。
これも無理やり。
まぁ、わからなくもないけど。


「メールだ。…魔罪屋から…?」


透はうーんと少し考えて手を打った。


「よし、お兄ちゃん達に任せよう」

「「は?」」


僕達は疑問系しかでなかった。