ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日 オリキャラ募集  ( No.91 )
日時: 2010/10/18 21:58
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

「殺人鬼君とお兄ちゃんにはこのメモリーチップを魔罪屋に届けてもらうよ」


と透が取り出したのは一枚のメモリーチップ。

頑丈そうなケースに入っている。


「これを渡すってのか?」
「うん」
「こんなの、お前が持っていけばいいじゃんよ」


「何言い出すんだよ、殺人鬼君」


ちょっときつめの口調になる。


「ぶっちゃけて言うと、この中には裏の情報がたくさん入ってるんだよ?四名のことはもちろん七凰色のことだって入ってるんだ。これ一つで裏社会を裏返すことだってできる」



「…なんでそんなものを魔罪屋に?」

本気の透に気圧される僕。


「それなりのお金だったし、一応万屋だって営んでるから…。それに、あの零無より信頼できるんだ。店長とも面識あるし、メル友だし」



零無よりも信頼できる四名か。

万屋ってことは人助けだろうし。

ただ。




名前をどうにかしろよ。


名前で悪さを思わせてるよ。



「まぁ、いいかな。透のお気に入り店長にも会ってみたいし」

「お前が行くなら俺もいくわ」

「お前来るなよ」

「えー、お前いると危険なことがありそうで面白いし」


馬鹿にしてんのか。
好きで巻き込まれたんじゃない。

不幸体質ってわけでも……ない。


「ありがとねっ。魔罪屋は弧々ちゃんが住んでたあたりだから。近くまで行ったら案内人がいるって」


弧々ちゃん…ね。

そういえばあの後誰も死体は見ていないらしい。
ニュースでは失踪事件だといっていた。
でも、探す人は一人もいないと思う。

そういう風に生まれた子なのだから。




「どうした?」

「なんでもない」




玄関までは透が送ってくれた。

「いってらっしゃい」
と。