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Re: 嘘吐少年の狂日 オリキャラ募集  ( No.94 )
日時: 2010/10/22 22:39
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

とりあえず弧々ちゃんの住んでいたところまで来た。
だが、案内人が見当たらない。

一応、一周ぐるっと周ってみたが全く。


「おい」

と夜鐘が僕に聞く。


「帰っていいか」
「やめろ、馬鹿」


諦めるの早えよ。




とと…、ん?


木の陰に誰かが…。




「あのー…」



遠くにいるわけじゃないので聞こえるかどうかの声で尋ねてみる。
相手も気づいたようでこちらを向いた。
そしてこちらに歩いてくる。

紫のおかっぱ頭と藍色の眼に着物を着た女性だ。
歳は、僕より一つ年下くらい。だが学年は同じかもしれない。
なんというか、見ただけで和という感じがする。

その女性は僕たちのちょうど一メートル前で止まった。



「えっと、初めまして」
「初めまして、私は小山餡子。よろしく」
「僕は逢沢縁です。よろしく。あの、失礼ですが——」
魔罪屋の者ですか?と訊こうとして
「そうだ」
夜鐘が答えた。

「ちょっ、お前」



「腰を見てみろ」

「え……」


言われたとおり腰を見ると、そこには一本の木刀が刺さっていた。



「えっと、餡子ちゃん」

ギロッと睨まれた。

やはり、近い歳の子を最初から名前で呼ぶのはいけないのだろうか。


「魔罪屋へ、案内してくれるかな」

餡子ちゃんは一歩も動かない。

「えっと……」
「——邪魔…さっさとどいてよ」
「え、ああ」


こっち方面だったのか。

ほぼ無表情の子に言われると、とても悲しくなる。
嘘だけど。

警戒してるだけだろう。
普通だよな。

…警戒しすぎだけど。




僕達は案内人——小山餡子についていった。