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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 オリキャラ募集 ( No.99 )
- 日時: 2010/10/26 14:19
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
とことこと。
やはり女性だからかあまり速くは進まない。
それに着物だから余計に。
そんな餡子ちゃんを夜鐘がまじまじと見つめる。
「…お前って…」
「ああ?」
「いやいや、隠さなくていいんだ。キモイけど」
「だからなんだよ」
「いやー、そうだよな。僕たち普通だったら高校生だもんな。青春真っ只中だもんな」
「あ?だからなんだ……ああ、そういうことか。ちげーよ。お前が思ってんのと」
「え」
僕が思っていたピンクの風景じゃないのか。
「いや、まさか……な」
「ん?」
思わせぶりな。
「いやー、ふむ。もしかしてさぁ、お前『化け狐』?」
餡子ちゃんの足が止まった。
「そうよ。…そういうあなたは闇凰の殺人鬼でしょ」
「まあな」
…僕のは関係ない話か?
仲間はずれかよ、寂しいな。
嘘に決まったるけど。
餡子ちゃんはまた歩き出した。
夜鐘は「ちょいちょい」と僕に近づく。
「お前、あいつには気をつけろよ」
「なんで。お前よりも強いのか?」
「やりあったことはないが、強いな。俺よりはそうじゃないかもしれねぇが」
「さっきの『化け狐』っていうのは?」
「魔罪屋の知り合いに訊いた。すっげぇ強いって」
「ふーん」
そうには見えないけど。
木刀で人を切るとか?
でも、切れないよなぁ?
撲殺とか?
…わかんないな。
やっぱり、世の中やり合ってから決めるのが一番だ。
やりあうつもりなんてないけど。
「——ついた」
急に餡子ちゃんが止まる
ほんとに急だったのでぶつかりそうになった。
「…ここどこだよ」
弧々ちゃんの住んでたところから来たはずなのに。
さすがに風景が変わりすぎだろ。
僕の周りには本にでてきそうな暗い木々が立っていた。
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