ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: アノ神ハキミ。 ( No.3 )
日時: 2010/08/24 21:03
名前: 千風 (ID: wVVEXLrP)

Word.1 あノ目醒メ[3]

「もっとマシな起こし方しろ!」
「だってアーくんがトマトを呼ぶから…」
「俺が呼んだのは富士りんごであって、トマトじゃねぇっ」
「仕方ないでしょ〜っ?ウチは八百屋なんだから!ってか、アーくんて、自分の寝言とか覚えてんのぉ〜っ?」
「俺が変態かのような言い方をすんなっ!」
 怒鳴り返しつつも、ベッドに転がったトマトを拾う少年。
「だいたい売り物投げるかぁ?普通っ!」
「それっ、熟れ過ぎちゃって、もう売れないトマトだもんっ」
 非難するように言い放つ少年に、父がどこか得意げに答える。
「熟れてたから汁の出も抜群だったでしょ〜?」
「おおっ…そうだな…」
 笑顔で話す父に、少年が頷きながらも、勢いよく表情を引きつった。