—その日俺は死ぬらしい—人間は無力である。妖を目の前にして、何もできないのだから。だが、それは幸せなことなのだと、俺は、妖壊師としてではなく人間としてそう思う。《妖零し》人間が妖には敵わないと知っているからこそ起きていないこともしも人間が無力でなく、《有力》であったらこの世界は壊れてしまうのだ。すでに壊れているのだけれど。少しでも変えることが出来るのなら、俺は残りの命を使って世界を変えたいと妖と人間が共存できる世界をつくりたい。