ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: [始末屋] ( No.1 )
日時: 2010/08/27 22:03
名前: ハッピー (ID: wVVEXLrP)

--概要--

「始末屋」と渾名される便利屋、素人や一般の探偵社の手には負えない危険な仕事を中心に手がけるユウスケのもとに、イタリアマフィアから仕事の依頼が来た。
罠にはめられ、大切な人間を人質にとられたユウスケ。事態を打開する策はあるのか。


第1章 マフィアからの依頼


第一話 上客からの電話

「ブブブブ」
着信を知らせるバイブレーションが、テーブルの上で振動と共に音を立てた。
ユウスケはフトンから手を伸ばすと、それをつかみ手探りで電源ボタンを押した。
バイブレーションが止み、留守電につながる。
「ただいま、電話に出ることが出来ません・・・」
小さくメッセージ音が流れるのが聞こえた。
ユウスケは、かすむ眼で携帯の時間を確認した。時刻は6時10分。
「こんな早くに一体だれからだ」
思い、ユウスケは着信主を確認した。
いたずら電話以外では、ユウスケの携帯はほとんどなることがない。
番号を知る人間が極端に少ないからだ。
だが、仕事の依頼の電話であれば、放っておくわけにはいかない。
電話の主を確認すると、ユウスケはフトンから抜け出し、洗面所へと向かった。
冷水で顔を洗い、鏡の自分をみつめる。
もう眠気眼ではなかった。それを確認すると、着信履歴から電話をかけた。