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Re: 貴方と君と傍観者 ( No.26 )
日時: 2010/09/05 19:31
名前: 月花 (ID: 8hgpVngW)

待って、待って、待って。
幾度も叫び、痛感する。
世界の厳しさと、
やっぱり人は、嘘吐きだ。
どうして。
あの子が死んだのに。

あの子は死んだ。
あの子は死んだ。
きっと・・・いや、絶対だ。
でも、彼女は居るんだよ?
だってほら、目の前に。
静かに、優雅に、佇んでいる。
確かに愛しいあの子だ。

あの子は微笑む。
こっちを向いて。
柔らかに。
確かに消えた筈なのに。
生きているなんて、有り得ない。
有ってはならない事なんだ。

——やだわ。怖そうな顔しないでよ。
   私が幽霊みたいじゃない。

——だって・・・死んだ、筈なのに。

——はっ。馬鹿言わないで。

——何で、どうして。

——死んでたまるか。あんな見ず知らずの子供等の為なんかに。

こんな子は、知らない。
彼女はいつでも優しくて。
どうして、どうして。
こんな子は、知らないッッ!!
あ、あの子供達は?

あの子供達は、
森の中と、海の中に存在してた。
最初の幾月かは泣いていて、
それから、満面の笑みだった。
やっぱり、離れないと駄目なんだ。
ごめんなさい。

——気になるの?あの子達の事。

——・・・あぁ。そうさ。

——あんな子、気にしないで。
   こっちを向いて?

——・・・ ・・・う。

——え?もう一度言って。

——お前は、違う!!

あ・・・。
あぁ・・・。
やっぱり神様は、残酷だ。
彼女と居れば・・・


さぁ、世界が狂い始めた。
もう誰にも、




             止 め ら れ な い