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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 貴方と君と傍観者 ( No.7 )
- 日時: 2010/09/02 15:39
- 名前: 月花 (ID: 8hgpVngW)
君は美しい歌声を響かせていた。
小鳥と一緒に音楽を奏でる。
君は、偉いね。
でも、所詮は人間なんだ。
君は知らないんだ。
その世界の美しさを。
君は今日も泣いていたね。
ただ見ているだけなんてもどかしいけど、
それだけで精一杯なんだ。
空はこんなに青いのに、
森はこんなに緑なのに、
こんなに色とりどりなのに、
君は知る事が出来ないんだ。
君はそこから出られない。
何があっても、きっと。
小鳥と、虫と、仲間と、
共に生き抜く事を選ぶんだね。
それしか選択の余地が無いけれど。
君はそれだけの罪を犯したんだ。
僕がこんなに大きい存在で、弱いから。
君達がこんな目に遭うんだね。
それでも君は歌うんだ。
高らかに。
——連れ出して、此処から。
——独りぼっちは嫌なの。
——貴方と共に、生きたかった。
きっと連れ出す術は在る。
でも、駄目なんだ。
僕が此処に存在する限り。
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