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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 貴方と君と傍観者 ( No.8 )
- 日時: 2010/09/02 15:51
- 名前: 月花 (ID: 8hgpVngW)
貴方は澄んだ歌声を響かせて、
底の神殿を守る役。
海から信頼を受けて守ってる。
生き物たちと触れ合うけれど、
外の世界を知らないんだ。
外の美しさを知らないんだ。
貴方は今日も微笑っているね。
その笑顔の裏には悲しみがあって、
それを背負って生きていくんだ。
風の戦ぐ音も、
木々のざわめきも、
水面で水が散る音も、
感じる事が出来ないんだ。
貴方は底から出られない。
一生暮らすと決めさせた。
代わりに暮らしていける力を与えた。
“君”と一緒に居る事を、
許さないけれど。
貴方は人を殺したんだ。
それは、紛れも無い事実なんだよ。
貴方は反省しながら、
僕に向けて、歌うんだ。
心を込めて、歌うんだ。
——どうか“君”に遭わせて
——もうしないと“誓う”よ
——“君”と一生一緒に生きたいんだ。
——お願い、“貴方”を助けて
ごめんね。
僕が犯した罪の所為で。
でも貴方達だって同罪なんだよ。
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