ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生ける屍 ( No.15 )
日時: 2010/09/06 18:50
名前: メルー (ID: oEQnR9WT)

【第五話】

『全生徒と職員に連絡します。』

「この声は……教頭か?」

集会でしか聞いたことが無いがたぶん教頭の声だ。

『ただ今、非常事態が発生しました。生徒は職員の指示に従って速やかに下校してください。職員は落ち着いて指示を出してください。繰り返します…』

教頭がそう言った瞬間、放送越しにドアが開くのが聞こえた。

『こ、校長?』

教頭の声が聞こえる。

放送室に入って来たのは校長か。

だが、何で教頭の声が震えているんだ?

『無事だったんですか?急に倒れたので心配しましたよ。』

「急に倒れた…?」

工藤が呟く。

そして、俺は気付いた。

『校長?』

『シャァァァ!』

『ぎゃぁぁぁ!!』

教頭の悲鳴が放送越しに響くのと同時に…

 — 校長も狂っていたんだ… —

もし、これが伝染するなら…教頭も…

そして、校長と教頭だけでなく…

『きゃぁぁぁ!』

『うわぁぁー!』

学校の秩序も同時に狂ってしまった。

「行こう。時間が無い。」

俺は固まっている2人を促す。

「…うん…」

龍宮は今の放送でこれが冗談なんかではない事を知った。

「ちょっと待て。」

「何だよ?」

「素手じゃ逃げ切れない。…武器が要るんじゃないのか?」

そして、工藤は俺よりも現状に適応していた。

「あぁ、もちろんだ。」