ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生ける屍 ( No.24 )
日時: 2010/09/07 17:40
名前: メルー (ID: UFZXYiMQ)

【第七話】

職員室に向かう俺達三人は今まで気付かなかった事に気付く。

「音が無い……何で?」

龍宮の言うとおり、話し声どころか足音一つ聞こえない。

「誰もいない……どこへ消えたんだ…」

教頭の放送の直後は叫び声が聞こえたのに。

「狂人の次は神隠しか!クソッ!」

俺はそう言いながら、近くの壁を殴る。

当然、何か状況が変わるわけじゃない。

むしろ何も無い事に恐怖を感じてしまう。

「……屋上に行きましょう…」

「え?」

龍宮が呟く。

「何言ってんだよ。鍵を取りに行くんじゃ」

「その前に今の状況を知るのよ。屋上から見れば少なくとも…何か見えるはずよ…。」

「……」

何か見える……。

それが良いものだという保障はない。

けど、

「……分かった…屋上に行こう。」

前に進むなら、今を知るのが大切だろう。

俺達は向きを変えて、今度は屋上を目指して走り出した。