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Re: 生ける屍 〜アンケート協力して下さい〜 ( No.289 )
日時: 2010/11/25 17:39
名前: メルー (ID: IWyQKWFG)

【第四十話】

誰がどのポジションなのか。

これはしっかりと決めておかないといけない。


誰が闘えて
誰が闘えない

誰に何が出来て
誰に何が出来ない


そして 

  —— 誰が集団のリーダーになるのか ——



お互いの実力、能力を理解しあってない集団はすぐに全滅する。
これは当たり前の事。

特に今の様な助け合わなければ生き残れない状況では なおさらの事。


だから、俺達はもう一度改めて自己紹介をしてお互いを確認する事にした。


まずは、俺から。


「俺は神崎 真。特に出来る事は無いけど、闘う事は出来る。」


自己紹介は隣にいる人へと移る。


「私は龍宮 萌。えぇと、……料理ぐらいなら少し……」


「俺は工藤 悠樹。真ほどじゃないけど、護身術を習ってたから闘える。」


「沙田 由美よ。運動は……正直苦手だけど、頭は良い方だと思うわ。」


「沖野 巧一です。えぇと……車の運転ぐらいしか……」


「如月 影璃。闘える。」


「私は南瀬 劉。私も影璃と同じ様に闘う事は出来るよ。」


星美島学園側の紹介は終わった。
今度は方条達の番。


「方条 知也。闘う事は出来る。」


「俺は雨田 健吾!工作なら自信あるで!」


「……黒宮 涙。特に無いわ。」


以上 10人。

その中で闘えるのは 俺 工藤 如月先輩 南瀬先輩 方条 の5人。

龍宮は料理が出来て、由美は頭に自信があり、沖野は運転が出来る。

雨田の工作と黒宮さんはよく分からない。
だが、決して役に立たない、何も出来ない という訳ではないはずだ。



次に確認するのは集団のリーダー。

リーダーに合っている人物といえば、やはり 南瀬先輩か如月先輩のどちらか。

だが、二人ともすでにリーダーにはならないと言っている。


だったら、由美でも良い。
闘う事が出来なくても、頭が良いのも立派なリーダーの素質だから。

しかし、由美は

「私にはそんなの似合ってないわ!」

と言って意見を曲げない。


そうなると方条しか残らない。
統率力もあるようだし、腕もかなり良い。
リーダーには適任だ。


だから 俺は方条に「リーダーにならないか?」と言ってみたが、


「お前の方が相応しいと思うぞ。」


と返してきた。


このままでは決まらないと思い、仕方なく多数決で決める事になり、


その結果

神崎 9票 

とすぐに決まってしまった。



「本当に俺なのか……」

「みんな真を信頼してんのよ。」


責任を感じる俺に龍宮が言う。


「今まで通りで良いんだよ。」


南瀬先輩も言う。


「……分かりました。俺で良いならやらしてもらいます。」


俺の言葉に全員が頷く。

こうして、仲間の増えた新しい集団のリーダーは俺になった。


はたして俺に9人もの人を引っ張れるのだろうか。


と一人で考え込むと、


「一匹 忘れてるぞ。」

方条が突如 口を開いた。


みんなが視線を集中させるとそこには、


「にゃ〜」


俺が拾った猫が、方条の手に抱かれている。


そういえば猫もいた。
だが こいつには、


「名前が無かったな。」


工藤の言う通り名前が分からない。
野良猫にしては綺麗だけど、首輪が無い。

それにこんなに珍しいのに誰も今まで見た事が無いと言う。


だったら、


「俺達で名前を決めよう。そして、本当の飼い主が見つかるまで飼えばいい。」