ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生ける屍 ( No.39 )
日時: 2010/09/08 21:42
名前: メルー (ID: 20F5x0q3)

【第十一話】

「なら、早くここから出なきゃ!」

龍宮が箱からハシゴを出そうとすると、それを由美が止める。

「まだ駄目よ。」

「どうして?!早くしないとアイツ等が…」

「外に行ってどうするのよ?」

「え?」

「今は外にだって沢山のアイツ等がいるのよ。」

「……」

「なのに、これから何をするのかも決めずに外に出れば……どうなるかは想像つくでしょ?」

「…真っ!」

「沙田さ…由美の言うとおりだよ。」

「!もういい!」

「は?」

龍宮はそう言うと、顔を背ける。

本当に女は分からないな。

「だから、私達は今すぐにこれからの予定を立てなきゃいけないのよ。」

由美はまだ話し続ける。

「だけど、俺達に出来る事なんてたいして無いんじゃないかな?」

工藤が途中で口を挟む。

「確かに私達だけじゃ出来る事は限られてるわ。」

「じゃぁ、どうやって?」

「だったら、他の生き残りを捜せばいいのよ。」

「え?」

「他の生き残りと団結すればきっとここ……学校からも脱出出来るわ。」

「今はここ、職員室から出る方法を探しているんじゃなかったのかしら?」

龍宮が、顔を背けたまま喋る。

確かに、ここ(職員室)から出れない今どうやって生き残りを捜すのだろう?

だけど、由美は笑う。

「そんなの簡単よ。」

「……どうするのよ?」

「アレを使うのよ。」

由美が指差す先は、放送室へと繋がる扉だった。