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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 生ける屍 ( No.51 )
- 日時: 2010/09/21 18:16
- 名前: メルー (ID: OldIND5q)
【第16話】
「それ本当!?」
由美が沖野に顔を近づける。
沖野は目を逸らしながら答える。
「ほ、本当です。中学の時に先輩から教えてもらったんです。」
「やったわ!これで予定は決まったわ。」
「なら、早く脱出の準備をしましょう。」
龍宮の目も輝きだす。
いや、全員の目もだ。
やっと生き残る可能性が出て来たのだから。
「俺は断る。」
ただ一人を除いて。
「本多先輩……」
沖野が話しかける。
「黙れ!第一お前等正気か?校庭にはアイツ等がうじゃうじゃいるんだぞ!その中を走り抜けるぐらいならここに残った方がマシだ!」
だが、本多先輩は沖野の言葉を遮って、言いたい事を言う。
「しかし……私達全員が彼女(由美)の意見に従う場合、ここに残るのは…君だけだぞ。」
南瀬先輩もここの危険性を示すが、
「お前も黙れ!風紀委員だからって調子ノンなよ!」
聞く耳は持たなかった。
「今、何て言った?」
そんな、本多先輩の言葉に如月先輩が反応する。
「お前も俺に口出しする気か?」
「今すぐその口を」
如月先輩が本多先輩を木刀で殴ろうとするが、
「…影璃。」
「……委員長…」
南瀬先輩に名前を呼ばれると、如月先輩は不満そうな顔をしながらも引き下がった。
「腰抜けが!とりあえず俺はここ(学校内)に残るぜ!」
本多先輩がそう言って、一人で職員室から出て行こうと扉を開けた。
「アァァァ……」
「な?」
すると目の前には狂人が立っていて、すぐに先輩は首に噛み付かれた。
「シャァァァ!」
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