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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 生ける屍 ( No.60 )
- 日時: 2010/09/27 18:56
- 名前: メルー (ID: GgqdNweE)
【第18話】
「半田……先生…!」
俺は俺を押し退けた人物を睨み、その名前を呟く。
そして、狂人と戦っている如月先輩と南瀬先輩以外は目を疑う。
半田先生は震えながら叫ぶ。
「考えてみろよ!お前等ガキよりも俺の様な大人が生き残るべきだろ!?」
「テメェ……!」
俺は我を忘れて半田先生の首をへし折ろうとした。
が、
「真……」
「!」
龍宮の呼ぶ声で我に戻り、とりあえず首の骨を折るのは諦めたが、怒りが収まらない。
「先生……学校では非常事態において先生は生徒の身の安全を確保する規則があったと思いますけど?」
由美はさっきまでと違って冷たい声で喋る。
眼つきも鋭くなっている。
「規則?そんなもんコノ状況じゃ無効だ!」
一方の半田先生は自己中心的な考えになってそんなこと気にも留めない。
「非常事態での規則が非常事態で無効になるわけないでしょ。アンタの考えが可笑(おか)しいのよ。」
「だ、黙れ!とりあえず一番は俺が降りる!その後にお前等が降りろ!」
「お前それでも教師…」
「真。」
由美が半田先生に再び襲い掛かろうとする俺を止める。
「だ、だけど…」
「今はこれ以上時間が割けない状況なのよ。」
「……」
俺は如月先輩達を思い出す。
「良いわね?」
「……分かったよ。」
「半田先生……それではお先にどうぞ。」
由美が言うと半田先生は無言で急いで窓に近寄りハシゴで下に降りてった。
誰とも目を合わせることも無く。
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