ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生ける屍 ( No.8 )
日時: 2010/10/01 00:00
名前: メルー (ID: hFRVdxb.)

【第2話】

「失礼します。」

俺は保健室に入るが、先生がいない。

いるのはベットで横になっているさっきの女子生徒だけ。

「うぅぅ……」

唸っているのか?

それほど悪いのか?

心配になって話しかけようと思ったが、今まで話したことの無い女子に話しかけるのも面倒なので止めて、隣のベットで俺も横になった。

だが、

「うぅぅ……あぁぁ…」

時間が経つごとに唸り声が大きくなり、ベットの上でもがき始めた。

ここまでウルサイと俺も寝れない。

仕方なく女子のベットに近づき、声をかける。

「おい、大丈夫か?」

すると、

「ウァァ!」

「!?」

いきなりベットから起き上がり、女子生徒が襲い掛かってきた。

断言するが抱きついてきたわけではない。

襲い掛かってきたのだ。

「おい!離せ!」

「ウァァア!」

「離せって言ってんだろ!」

俺は全力でソイツの頭を掴んで引き離そうとするが、

「バカ力か!?」

力に自信がある俺だが、離せない。

それどころかだんだん距離が近くなってきてやがる。

「シャァァ!」

ソイツは大きく口を開けて俺の首に噛み付こうとする。

「おい!後悔するぞ!」

俺は必死に話し掛けるが、

「シャァァ!」

通じない。

「クソッ!!」

俺はそう言うと、ソイツの頭を掴んだまま180度捻る。

 —— ゴキッ ——

聞き慣れない音と共にようやく女子が止まる。

死んだ……いや俺が殺したんだ。

だが、罪悪感は無い。

有るのは、逃げないといけないという危機感と…——

  ——…地獄を知ったという絶望感だけ…