ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『JUSTICE』 キャスト更新 ( No.2 )
- 日時: 2010/09/07 16:10
- 名前: 闇色メロディー (ID: U3CBWc3a)
【01】
「ち、遅刻だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
朝早く、警視庁5階の廊下に響き渡る男性の声。
男は肩にかけたバックを手に持ち替え、金色で‘刑事部’と書かれたドアの前で立ち止まる。
「ま、間にあったか・・・な・・・・・・」
男は息をある程度整えると、深呼吸をしてドアノブに手をかけた。そして、笑顔で部屋に入った。
「今日から配属された境連太郎です!!・・・・ってあれ?」
境連太郎がドアを開けると、中は閑散としており、人は誰もいなかった。
連太郎は首を傾げながら、恐る恐る部屋の中へ入る。
「あの・・・・誰かいませんか?」
「はいはーい!!新人君?」
連太郎の問いかけで、一番奥のデスクの影から、一人の女性が突然現れた。
連太郎は突然現れた女性に一瞬驚くが、すぐに我に戻って一礼する。
「今日からここで働くことにな・・・」
「聞いてたよ。私は南奈々、よろしくね。」
「なんで誰もいないんですか?」
連太郎は、とりあえず無言になる前に質問をぶつけた。
すると、奈々は自身のデスクの上にある資料を手に取り、そのまま連太郎の前に来た。
「警部から上の階級の者は、全員ある特別事件に関わってるの。」
「特別・・・事件・・・・」
「ちょっとね・・・。私は先輩に優しい人がいるから教えてもらった。」
奈々は笑顔で言うと、連太郎の顔をマジマジと見始める。
茶色のショートヘアーが似あい、フルーティ-な匂いがする奈々に、連太郎は思わず顔を赤らめる。
「そ、それで僕はどうすれば・・・・・」
「先輩たちが帰ってくるまでここにいればいいよ。私は、ちょっと電話してくるから。」
奈々はそう言うと、ポケットから携帯を取り出して部屋を出て行った。
1人残された連太郎は、ポツンとその場に佇む。
「・・・・・ま、待ってようかな・・・・」
──────
同時刻 羽田空港
2人の作業服を着た男性は、関係者以外立ち入り禁止と書かれたドアを潜り抜ける。
2人は手ぶらで、作業服には似合わない黒い靴を履いていた。
「ここだ。どうやって潜入する?」
「俺のやり方で行く。」
やけに自信があるような口調で話す男は、滑走路に止まっている一機の飛行機に目をつけた。
飛行機の機体に赤の横線が一本、JAPANと書かれたのは政府専用機のことだ。
総理大臣や日本政府関係者しか乗れないこの飛行機、男は乗り込もうとしていた。
「さすが政府だな。警備が半端ないぜ・・・・」
男は政府専用機の周りにいる黒服達を見て、思わず息をのむ。
「・・・・こりゃ、ちょっと危険だが・・・・」
男は作業着を脱ぎ、元々着用していた黒いスーツ姿になる。
そして、そのまま怪しまれないように政府専用機に近づき始めた。
「おい!!そこのお前!!!」
しかし、近づいた途端に黒服の男から呼び止められる。
「名前は?」
「峯野悠・・・です。」
「・・・・用はなんだ?ここは我々だけと決まっている。」
黒服の言葉に、峯野は思わず頭が混乱する。
このまま話を続けるにしても、何れは自分の正体がバれる。
すると、峯野にある案が思い浮かんだ。
「あの、実は私こういうもので・・・・」
峯野はスーツの胸ポケットから、一枚の名刺を取り出した。
「防衛庁・・・・防衛事務次官!?これは失礼!!」
黒服の男は態度を180度変え、峯野は笑いながら政府専用機に潜入した。
「楽勝だな。ちょっと焦ったけど・・・」
峯野はそう言うと、まだ無人である専用機の先頭へと急いだのだった。