ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『JUSTICE』 ( No.7 )
- 日時: 2010/09/10 19:29
- 名前: 闇色メロディー (ID: U3CBWc3a)
【03】
警視庁
警視庁に戻ってきた連太郎と山本は、10階の会議室に入った。
‘政府専用機ハイジャック事件特別捜査本部’と達筆で書かれた紙がドアの横に張ってある。
会議室の中にはすでに捜査員が座っており、山本と連太郎は一番後ろの席に座った。
「それでは、これより捜査会議を始める。今回この事件の担当をする水間陣だ。」
水間は会議室の一番前に立ち、ホワイトボードに今回の事件資料を張っていく。
「今日の午前10時33分、羽田空港に止まっていた政府専用機がテロリストによってハイジャックされた。犯人は元々機内に潜入していたらしく、乗り合わせていた藤原総理含め省庁の役人と乗務員総勢40名が人質となった。テロリストの目的は、今のところ不明。だが、その内の一人が岩瀬久司というのが分かっている。刑事課以外の者は、現在捜査中の岩瀬知男が死亡した事件を追え。」
水間の命令と共に、刑事以外の捜査員は立ちあがって会議室を後にしていく。
それに紛れて、連太郎と山本は一番前の席に移動する。
会議室に残ったのは、水間と刑事課の捜査員10名程度であった。
「あっ!南さん。」
「緊張してる?安心して、みんな優しいから。」
奈々は連太郎の隣に座ると、笑顔で優しい言葉を言ってきた。
連太郎は奈々の優しい言葉と笑顔で、顔が赤くなっていく。
すると、後ろから野太い声で小野谷が話しかけてきた。
「話が始まる。黙ってろ。」
小野谷の大きな手のひらで背中を叩かれた連太郎は、思わず顔を歪める。
「それじゃあ、刑事課の諸君。君たちには特別命令を下す。ハイジャックされた飛行機に、選ばれた者は潜入し、現場を遂行に鎮圧しろ。」
「え・・・・・?」
水間の言葉に、連太郎の顔を引きつる。
だが、他の捜査員は何食わぬ顔でその命令を聞いていた。
「山本さん、あなたを班長として4人1組の班を作ってくれ。」
「あいよ。水間管理官・・・・」
山本は水間に言うと、席から立って刑事課のメンバーの顔を一人一人見て行く。
「んなら・・・境と小野谷。後、藍田でどうだ?」
山本の言葉に、小野谷と藍田は了解のサインを出すが、連太郎は次々進んで行く話しについていけてなかった。無理もない。
「よし、潜入方法を説明する。」
水間はそう言うと、ホワイトボードに資料を張りながら説明を始めた。
「飛行機の操作設定を管理棟が一時的に警視庁のネットワークに繋ぐ。その時、飛行機のハッチを開いて、4人を乗せたヘリコプターをハッチに突っ込ませる。ハッチが開いている時間は限られているから、チャンスは一回しかないぞ。更に、失敗すればヘリどころか飛行機までドッカーンだからな。」
水間は4人の顔を見ると、最後に笑顔で口を開く。
「事件解決の成功を願っている。地上は我々。上空に君らに託す。それと、この事件は3日以内に解決できねば、自動的にFBIが動き出す。」
「他国に任せられっか!!俺らが解決してやるよ!!」
小野谷は「ガハハ」と豪快な笑いを見せる。
藍田も鼻で笑い、まるで余裕の様だ。
山本は退屈そうな表情で、やる気が見えない。
連太郎は3人を見て、思わずため息をついた。
「大丈夫・・・・なのか・・・・」