ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: —殺戮時代— ( No.83 )
- 日時: 2010/11/14 11:13
- 名前: ZERO ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)
「霊魂分散」
その一言で殺戮兵器はあっという間に崩れていく。
あくまで崩れていく。破壊したのではない。
先生も児童もその光景をみて呆然としている。
しばらく皆無言状態だったが校長先生がほっとして声をかけた。
「き、君。も、もしかして私達を助けるために…!?」
この時の光景は天馬を始めとした四人も見ていた。
四人は何故か恐怖感を感じていた。体は震え、目もきょろきょろ動いている。
「お、おい。お前どうしたんだよ」
心配して友達からも声をかけられる。
「い、いや何でも………」
そして再び前を向くとその光景に目を疑った。
「誰がお前等を助けるなんつったぁ?」
「うぁあぁあああ!!!」
校長先生は悲鳴と共に黒い穴に引きずり込まれた。
「う、うわぁああああ!!」
あまりにもその光景が恐ろしかったため一斉に皆悲鳴を上げた。
そして全速力で学校の外へと駆けていく。
しかし、もう遅かった—————————。
「冥府穴。…てめぇら全員冥土送りだぁあぁ!!」
校長先生が引きずり込まれた穴が学校中を埋め尽くす。
「ぎゃぁあああ!!!!」
「いやぁあぁあああ!!」
学校からは悲鳴以外何も聞こえない。
「くそぉおおおお!!!」
俺は声を思いっきり張り上げる。そして頑張ってあいつから逃げる。
重度の恐怖感に包まれて、悲鳴の中を駆け抜ける。
その悲鳴の中で一度だけ、一度だけあいつの声を俺は聞いた。
「うぉい、そこの逃げ腰。俺は…ソウルマスターとでも言っておくか。
俺は宇宙最強だ、それだけ覚えてろ」
それだけ聞いたんだ。そして逃げ切ったあいつ等と合流した。
それからはあいつの事をひたすら調べて、あの計画が発覚した。
「とまぁ、こんな感じの事があった」
天馬は話すたびにあいつの辛い表情が見えた。
俺が心に思った事———————。それは、
許せない許せない許せない許せない。
俺にはそれしか感じられなかった。
「……!イクス、何処行くの!?」
「んなもんわかってんだろ、蹴りつけて来る」
周りは沈黙した。出て行く前にとっさに、
「き、危険だよ!!そんな無理しない方が…」
「それにあんた、怪我完治したばかりでしょ!?」
天馬とクララに手を捕まれるが、俺は無言で振り払う。
そしてずっと歩き続けて、あいつを、ソウルマスターを見つけた。
そこには血まみれになったビクトリーがいた。
一応、原型は留めていたが血で顔が見えない。
「あぁん。実験の次は復讐かぁ?」
「……ひねくれたてめぇの根性叩き直しに来た」
「へぇ〜、最強にたてつく事がどれだけ無駄か教えてやるよ」
「ん〜、ならお前が最強で俺が雑魚?なんなら下剋上宣言でもしておくか
俺がお前を倒す、以上」
この時のイクスは何処かが違った。
第八話 完。
すいません。あまりに長々しいので、文を区切りましたw