ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

思想中(微)なわたし ( No.59 )
日時: 2011/07/28 23:17
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: wzYqlfBg)
参照: 決して全裸で更新なんて、してないんだからねッ(頬染)!

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 三浦散子は、完璧である。それは幼馴染で腐れ縁で大親友(自称)である私が一番よく知ってる。そう、彼女は完璧なのだ。全てが彼女にとって楽勝であり、自身の手の届く範囲であり。それでいて私たち凡人に対して面倒見も良い(少なくとも私には)ので、某猫型ロボット的存在でもあり。小さいころから「ちーえもーんまたいじめられたおー」と飛んでいけば「さっさと宿題終わらしてくれない? アンタのお母さんに教えますって返事しちゃったんだし」と助けてくれることが多数あった。いやちょっと待て、これ助けられてるのか。まぁ結果的にはオーラーオーライだったけど。
 ……と、とにかく三浦散子ことちーちゃんはいつだって、どんな状況下であっても完璧なのだ!
 例えば、小学校3年生の時の話。
 その年の夏休み、ちーちゃんは肺炎っぽい何かしらを患ってしまった。しかもその何かしらは、幼いちーちゃんの体には相当な負荷がかかるもので、常に38℃前後の高熱が出ていたらしい。ちーちゃんは夏休みと9月前半の間、ずっと病院で療養することとなった。だがしかし、それはちーちゃんにとって運が悪いことだった。
 その夏休みの宿題は、先生が前の学年と違った為、凄くスパルタ教師だったのだ。スパルタなため勿論宿題は倍増。更にちーちゃんは成績優秀文章力抜群な良い子ちゃん(当時からそうだった)だったので、2学期にある論文コンクールと学芸会の劇のシナリオを任されていたのだ!(そろそろ面白おかしく言いたくなってきたのでこれから変なテンションでいくぜいひゃっふー)
 果たしてちーちゃんはどうしたのだろうか? 凡人、要は私たちのように、当然宿題も無理、論文? シナリオ? ばっきゃーろ! ……てな感じで自暴自棄になって全てを諦めたのだろうか?
 これは後に先生から聞いた話だが——————入院中のちーちゃんは、先生がお見舞いに行ったとき、真顔で塾の勉強をこなしていたという。そして先生が宿題や論文について聞いた時、大量の宿題やら原稿用紙の束を一瞥すると、ぽつりと言ったらしい。
 
「……………………先生、また明日これ全部取りにくる予定でしたら、効率悪いですね…………」

 この言葉の真意を理解したとき、先生は本気で鳥肌がたった。んで、この先生は次の日、全て完璧に答えを書かれた宿題と、後に県の最優秀賞を彩るはずの論文の用紙4枚と、学芸会に来ていた保護者の8割が涙するという幻の劇シナリオを手にし、病院を後にした。……あ、この後この先生は2ヶ月で辞職致しました。ちーちゃんの的確な教育アドバイスによって。