ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

KENKA☆なわたし1 ( No.85 )
日時: 2011/07/03 13:04
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: wzYqlfBg)
参照: 誰かが見てくれてることを、願って。

  Re: 愛って何ですか( No.4 )
 名前:衣食住◆dk2RfodKf8
 参照:初めまして
 コメント:あれあれ。3人の方、素早いコメント有難う御座います
      まさかコメントくるとは思ってなかったんで衣食住はびっくりです
      ええと、まだまだ答えや考えは知りたいんで、書き込みよろしくお願いします

  Re: 愛って何ですか( No.5 )
 名前:りゅー@+
 参照:メッチャスッキヤネン(*´∀`*)/☆
 コメント:同クラのアイツが大好きじゃああ(



 スレの最終更新を読み終えて、溜め息をついた。
 ————そろそろ、年が明けるなぁ。
 でも年が明けるといっても、それは私たち人間が勝手に時に未練と多忙さを感じているだけで、結局はいつもと変わらないんじゃないかなー……なんて考えながら、受験生である私はパソコンに向かっていた。
 外はすっかり冬で、何か言えと言われても寒いとしか言いようが無い。景色が妙に灰色めいていて、特筆すべき点がないってのが事実である。うぅ、つま先寒い。

「……受験べんきょー、しなきゃ、駄目なんだけどなぁー、ッ」

 広げた赤本を、片手で机上から払い落とす。ばさりと大きな音を起てて落ちた参考書やノートは、私の悩み生成チームの首謀者だ。……主に最近の悩みは、小説と受験。プラス——ちーちゃんな訳ですが。
 あの、夏の小説大会に絶望した日から3ヶ月程経っている。
 私は相変わらず、受験と鬼ごっこ中。勿論追いかけられる側で。大学に入るという未来を追いかける鬼ごっこと言い換えても良いかもしれない。大学受験は、浪人という厄介なものがまとわりつく。本来ならばそれを恐れ、死に物狂いで勉強しなければいけないんだけど……私は限界より少し下、つまりちょっと楽なレベルの大学を選んでいるから、頑張るという行為を続けていれば入れる確率は高い。だからといって、入れないという単語が消える訳じゃあないけど。

(…………だから、べんきょーしねーといけないんですけどねぇ)

 マウスを包む手は、冷え性なためか指先が冷たい。せっかく暖房をいれているのに、指先とつま先は温かくなくてちょっと辛い。指先は特に。勉強もしにくいし、小説を書く意欲をちくちくと削り取ってる気がする。
 自分の部屋は、私のキーボードを打つ音以外静かで。自分がパソコンの画面から顔を上げるたびに、私は今勉強をさぼってパソコンという行楽に勤しんでいるという現実を突きつけられてしまう。
 ——だから、ほんとに、ほんとーに勉強やらなきゃいけないんだって!
 内なるもう一人の自分が、血ばしった瞳で私に掴みかかる。さっさと勉強に戻れと。

「だが私は新しいコメントを読もうと視線を滑らすのであった!」


  Re: 愛って何ですか( No.6 )
 名前:某小説家@執筆中あんd◆a6sL9adSe
 参照:&、彼女といちゃつき中じゃああ(


 ……名前から漂う残念臭が止まらない。いや、大学受験追い込み期間なのに平然とパソコンかちゃかちゃしてる私も人のこと言えないけど。何故だ、この人のおかげで現実に戻りたいと不本意ならが思ってしまった。

「てか名前が長すぎて、参照にまで入ってるじゃん……いやむしろ参照が本命? てかリア充か妄想男かわっかんにゃーのー。リア充女と妄想男?」


 コメント:愛! それは!
      

      …………彼女の為に小説を書くこと! なのだ!
      まぁ彼女自体が僕にとっての抽象的な愛そのものなんですけどね!
      彼女イコール愛、愛です、ラヴですよ!



「……う、うましかさんだわー」

 奥さん見てよー、あれが最近流行りのうましかさんですことよ? あら奥さん本当? ……あらほんと、うましかさんだわねー——と近所のおばちゃんの井戸端会議的サムシングが脳内を飛び交う。消えれ。
 何なんだこの人。驚きで大きく見開いた瞳は、暖房の空気によって涙を搾り出される。乾いた生温い空気は、空間に隙間無く存在していて、少し鬱陶しい。暖房の温度、少し下げようかなと思ってリモコンを一瞥する。
 そして、コメントも一瞥して、胸に溜まった言葉を吐き捨てた。

「ばっかじゃねーの」

 このうましか男が、彼女といちゃいちゃラブコメリア充生活を送っている際に、私は私の世界にいた彼女という人物を失った。厳密には、失い、かけている。……でもそれは、スパゲッティ一本で綱渡りするような、ぎりぎりすれすれの縁だから。下手なことすると、ちーちゃんは永遠に私に振り返ることはなくなる。
 メールは、喧嘩をした日から5通ぐらい送った。でも、送ったのはあの日から一週間内だし、私はちーちゃんが本当に怒ってるってのが分からない(←うましか)まま平然とメールしてたから、現状と気まずさを把握した上ではなかった。イコール、気まずいと理解した瞬間から、私はちーちゃんと一切にコンタクトをしていない、と。

「…………チッ」

 無意識に舌打ちが零れる。彼女を怒らせてしまった自分に対してか、幸せいっぱいという雰囲気満載のこの某小説家という人物に対してか。ほんとーにわかんない。
 小説を書きたいという欲求と、書けば彼女と元の関係に戻りにくくなってしまうという恐怖、受験勉強をしなければいけないという不安と苛立ち。様々な負の感情が渦巻きあっていて、私は混乱する。
 ——何で、小説を書く人は、崇められる人とスルーされる人との二通りしかないんだろう。
 心に過ぎった疑問は、腐臭を放ち、私の指をキーボードへと動かす。某小説家という野郎のコメントが、胸に焼けるような痛みを放つ。


  Re: 愛って何ですか( No.7 )
 名前:小説仮
 コメント:
      某小説家って人、のろけお疲れ様ですね。
      小説を書くことが愛だなんて、とんだ自己満足です。


 ——送信。
 かちゃかちゃ、と軽い音なのに、打ち込んだ言葉は鋭く、そして攻撃的。
 打ち込んだ言葉に後悔も何も感じない。そこにあるのはそう、ただの怒り。某小説家という人は小説を書くことに愛を感じ、私は書くことに葛藤と絶望を感じている。……その違いが私には許せないから。
 パソコンは私の悪意を読み取ったかのように、ブォンと大きな音を発した。
 向こうはどう返してくるんだろう。ネット初心者のように怒るのか、冷静に「向こうから喧嘩をしかけてきた」ということを前提に冷たい暴言を吐いてくるのか。

「はいっ、結局は暴言に行き着くのでーす!」

 ——たぶーん。
 苦笑して、ひんやりとした机に肘をつき、頬杖もついた。
 そんで、今までのこととか思い返してみる。