ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Io sono speciale.—さぁ聞かせてよ、君の声— ( No.33 )
日時: 2010/11/23 21:55
名前: 虎紺 (ID: ZX4G2qWn)

第五話

何時のまにかすっかり大所帯となってしまった僕ら。

そろそろ風紀委員がこっちをにらんできてるし、立ち退いた方がいいんじゃないか?

僕がそう思い始めた時、ふわっとした、思わず聞いた人が笑顔になるような素敵ボイスが響く。

「ほら真人君たち、僕の部下が困ってるでしょう?
だからさっさと教室に行きなよ、あと9分でチャイム鳴るよ?」

彼の名は東雲続。

にこにこと笑ってはいるが、彼の背後から黒いモノが見えるのはただの錯覚であって欲しい。

そして彼の声を聞いた瞬間、風紀委員たちに緊張が走る。

それもそうだろう、彼は風紀委員長なんだから。

二年にして風紀委員長になった彼は一年にぢ手、自ら立候補した自信の通りとても優秀な人間だ。

いままでの風紀委員会を一新させた———具体的にいえば、「面接」を行ったのだ。

彼のみが知る判断基準で次々と自分と同じく優秀な人材を発掘した彼は、
生徒会長の凛子先輩と殆ど同じといっていいほどの権限を与えられている。

といっても、東雲はあまりそう言った事に興味がないみたいだが。


彼の話は続く。

「さぁて聡哉君。あのさ、僕昨日髪の毛染めてこいっつったよね?
それとも僕の記憶違いかな?・・・茜。」

スッ、と彼の横に立った真面目そうな女の子は桜乃茜。
ピシ、と音がしそうな見事な直立加減。

・・・と思ったら、次の瞬間にはふにゃん、と崩れる。

「記憶違いですよ」


うわあ嘘ついたよ風紀委員が。

でも聡哉はにこにこと笑みを浮かべる。

「ってことでココ通りますね風紀い・い・ん・ちょ☆」

「・・・明日は絶対真っ黒にしときなよ」



さあ、学校が始まる。