ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:    紅色人形   ( No.51 )
日時: 2010/09/24 21:39
名前: ラズリ ◆0Co7TLOMuU (ID: NzSRvas.)

   ◇番外編◆

ある年の12月。

村には、白い雪が中を舞っている———
そんな季節だった。

一人の人がいた。
その人は村の中央にある、一つの人形屋へ行く途中だった。

カラン カラン

「いらっしゃいませ。」
その人は店内を見渡した。
棚、床、椅子、机———
店内のあらゆる所が人形で埋め尽くされてる。

そこにフローラは居た。


◆  ◆  ◆

今日も退屈だな。
だって、ずっとガラスケースの中で立っているだけだもの。

詰まんない。

あ、誰か来た。
50歳くらいかな?
こんなおじさんが、どうしてここに来たんだろう。

—何を探しているのかな
—どの人形を買うのかな
—私、だったりして

そのうち、そのおじさんは、店長と何かを話した。
何だろう。
少し聞いてみる。

「何をお探しですか?」
「孫の誕生日プレゼントです。」

そうだったんだ。

「そうなんですか。お孫さんの誕生日はいつですか?」
「12月7日です。」

昨日じゃん。

「一日過ぎているいるんですね。」
「はい。忙しいもので。」

そういうことね。

「じゃあ、この人形はどうでしょうか?
 お孫さんのお誕生日と同じ日に制作されたんですよ。」

そういって、指をさした方向は———

     私———


◆  ◆  ◆

「それはいくらですか?」
「4360円です。」
「よし。買うとしよう。」
「ありがとうございます!」

その人は、青い服の人形を袋に入れると
その店を出て行った。


カラン カラン———・・・