ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ≪ODD‘オッド’≫オリキャラ募集中 ( No.6 )
日時: 2010/09/12 17:08
名前: 伝史 (ID: U3CBWc3a)

【知ってはいけない現実もある】

「これは、2年前の話しよ。」
真奈はそう言うと、2年前の話を始めた。


────
渡会真奈 目線......

2年前 2008年


私は当時、光星孤児院という施設に住んでいた。
物心が付き始めたころには、もう孤児院にいたの。だがら、両親の生死も分からない。
私はそこで、一生を過ごすと思っていた。けど、ある時異変が起こった。

「政府の者です。渡会真奈さん、少しついてきてもらえませんか?」

施設に訪れた全身黒スーツにサングラスをかけた男。見た目から危ないという空気を漂わせていた。
無論、私は何も知らずにその男について行った。施設から初めて出た私は、どこか幼い心もあった。
しかし、それが過ちだった。

「真奈さん、あなたには政府の実験体になってもらいます。」

「え?」
私は耳を疑った。男の言葉を理解する方法が分からなかった。
車に乗せられ、鍵を閉められ、どこかへと向かっている。
ただ私は、その時無事に帰れないことを確信した。
その直後だった。

「ぐあっ!?」

フロントガラスが突然割れ、運転していた男の首を掴んで外へ放り投げた。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
男は悲鳴を上げながら、アスファルトの上に顔面から叩きつけられる。
「嬢ちゃん、さっさと逃げな。ここは俺がやってやるよ。」
私の目の前に現れた、花柄のスーツに厳ついさんぐ巣をかけた男は笑顔で言った。
私は、車の中にあった封筒を手にして、その場から去った。
そのあと、私を助けてくれた男の人がどうなったかは分からない。

私は1日半逃げた。持っているのは茶封筒だけ。
力尽きた私は、公園で寝泊りを繰り返し、ただただ前に進んだ。
そして、ある日。この茶封筒を開けた。
そこに書いてあったのは、驚愕のものだったの。


───────
日本政府 超能力者抹殺作戦 プラン1

近年、政府直轄の調査で判明した超能力者の存在。
日本国に危害をもたらす危険物とみなし、政府は超能力者の抹殺を決行することに決めた。
この計画には、総理と天皇の承諾で法律が効かないものとする。
なお、今回の計画は政府内だけで行う。外部への流出は注意するように。
超能力者の数は、現在の調査で100人以上。
精鋭されたエリート部隊は、安全且つ速やかに計画を実行しろ。健闘を祈る。



────

現在

「そ、そんなことが・・・・」
「知らない方が良かったでしょ?私は早く行かせてもらうわ。あなたに会えて、良かった。」
真奈はそう言うと、立ち上がった玄関へ向かっていく。
瑞樹はこの時、言おうかどうか迷っていた。

自分も能力者だ。

何れ、政府に追われることになるなら・・・


「待て!!!!」


玄関から出て行こうとする真奈を、瑞樹は大声で呼び止めた。
真奈は瑞樹の声の大きさに驚き、振り向いてキョトンとした表情を見せる。
「お、俺も能力者なんだ!!!」

「え?」

瑞樹の告白に、真奈は思わず口を開けて驚く。
「嘘・・・・」
「本当だ。聴力は人間以上、どんな問題も一瞬で分かる。」
瑞樹の能力を聞いた真奈は、笑顔で瑞樹に近づく。
「凄い・・・・あなたも能力者なんだ・・・」
「俺も行くよ!!どうせ・・・今の人生に飽きてたんだ。」
瑞樹の言葉に、真奈は少し寂しそうな顔になる。

「家族はどうするの?」

真奈は、なぜか涙を流しながら言う。
瑞樹は一瞬躊躇うが、真奈に自分の思いをぶつけた。
「俺は、なんでこんな能力を持ったか知りたいんだ。君といれば、その答えが分かるような気がする。」
「過酷な戦いになるよ・・・。死ぬ可能性だってある!!」

「それでも行くさ。俺の人生だ、俺が決める。」

瑞樹は笑顔で真奈に言う。真奈は笑顔になり、瑞樹の思いを理解した。
「分かった。それなら行こう。」
瑞樹、真奈はこうして家を出て行った。

そして、始まるのだった。


過酷な戦いが______