ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 生きたいあーちゃんと逝きたいあーくん ( No.13 )
- 日時: 2011/04/25 15:16
- 名前: 出雲 (ID: luklZ16E)
- 参照: 第一章「現実でりーと」→第二話「自我でりーと1」
二話 自我でりーと
頭が痛い、どうせなら真っ白になればよかったのに。
うん。
言葉の意味はないかな。
自我崩壊した癖して後悔、今から勉学に励もうと意気揚々と学校を目指していたというのに朝から頭痛だなんて、帰りたい。
還りたい。
もっとも言葉に意味はなかった気がする。
『あーずさ』
誰かが誰かを呼んでいる。
あああ、ずさっ!
最後の一文字は出来れば消えてほしかった、でりーとを要求します。
「 な」
『あず?』
誰かが近づいてくる、足音が重々しい。
「な、なんだい?」
でりーと完了。
自我崩壊を防ぎました隊長!
これで勉学に身が入ります、ありがとう!
「あ、っと。悪い…」
彼は何かに気がついたようだ。
彼はどこか、いーさんと似ている節があるなぁといつも感じています。
「何がですか?気にしないでください」
彼?えー…。
名無しクン、だったかな。
「ごめん」
うん、いーさんとそっくりじゃないか。
言葉が通じないところとか。
あれ、それとも僕が日本語を話してないのかな。
それは無いと願いたい。
「できれば、僕の名前は呼ばないで頂けると嬉しいです」
呼ばないで頂けると、やはり日本語力は低いのかもしれないと思った瞬間。
「忘れてた、久しぶりすぎて…」
ああ、そうか。
勉学に励むという目標は脆くも儚く消えて行ってしまったではないか。
隊長!命令が遂行できません!
むぅ、言葉に意味が合ったのはどこだろう。
でりーとしてほしくないところまで、しちゃったようだ。
ある意味、自我崩壊。
「ああ、そうでしたね。それは僕が悪いじゃないですか!」
「あ、いや、その」
この人も変わっちゃったのかな。
僕と関わる人は皆、いろんな意味で変わってしまう。
原形をとどめない何かに変身したこともあったかなぁ…
言葉に意味はないでほしいです。
「あず、敬語やめろって」
「む、久しぶりで忘れてた」
同じ言葉を変換してコピーして引用。
敬語は僕にとって嘘つきの証だったりするのだ。
「で、なんで来なかったんだよ学校」
勉強遅れるの嫌だって言ってたじゃないか、そう続けてほしかったところだけど言ってないのだから続かない。
「いろいろ事情があってだね」
ぬはは、ひきこもり体験にいってたのだ。
いい体験になったなった。
「そ、か。まぁいいや、早く行こうぜ」
鐘の音だ!早くいかないと…
見たいなことにはならず、ゆっくりとした足取りでも間に合うだろう時間じゃないか、勿体ない。
勿体ないって何が?
さぁ。
「というか…」
彼も、一ヶ月間来なかった僕にこうして話してくれるじゃないか。
どうしてだろう、放っておいて他の人といればいいものを。
「?」
「緩、何か変わったことあった?」
考えるしぐさをする名無し 緩。
矛盾だ、名無しって言ってるのに名前あるじゃないか!けしからん。
言葉に意味ねー。
「俺の名字、名無しじゃねーよ」
ほわっつ?
彼は心を読むことができたなんて、えくせれんと!
「し、知ってマス」
「敬語!」
嘘つきの証拠が姿を現した。
「まぁ、そうだな変わった事って言ったら…明流が来たことか…?」
明流、トオル…
「内海のこと?」
大きく頷く緩。
ああ、そうか。
彼はやっと外に出る事が出来たのかな。