ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生きたいあーちゃんと逝きたいあーくん ( No.51 )
日時: 2011/04/28 17:56
名前: 出雲 (ID: luklZ16E)
参照: 第三章「不完全るーる」→プロローグ



              -第三章-
             不完全るーる

   
    『君は僕に飼われてるんだよ?僕の“ペット”なんだよ』


「あずさ」は笑ってた。

本当に愉快そうに僕を見ながら、何度も何度も言葉を発する。
「いらっしゃい」
       「いらっしゃい」
「いらっしゃい」
       「いらっしゃい」
「いらっしゃい」
       「いらっしゃい」

屋敷みたいな大きな家の中。
僕は何の理解もしてないのに、「あずさ」に手を引かれて。

「ここが今日から君の家だよぉ」
って。


僕は新しい家族を手に入れた。

僕は新しい家を手に入れた。

僕は世界に居場所を作ろうとした。        作ってもらった。


真っ暗で、真っ黒で、出口の無い「あずさ」の家。

そうやって僕は、首輪を嵌められて。
鎖に繋がれて、「飼い主」に逆らわない忠実な犬になった。




嬲られて。穢されて。犯されて。

—僕は「あずさ」の家のペットになった。



   『お腹空いたのぉ?餌ならあるけど、あげられないよ?
              それとも、出たいの?ココから』