ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 生きたいあーちゃんと逝きたいあーくん ( No.64 )
- 日時: 2011/11/13 18:06
- 名前: 出雲 (ID: luklZ16E)
- 参照: 第三章「不完全るーる」→第八話「るーる説明1」
第八話 るーる説明
そのあといーさんの持つ車に乗り込んで、家へと向かった。
時間が時間なこともあってほかの車は全く走ってなかった。
「いーさんわざわざすいませんでした」
家に着くと、僕はそういーさんに言った。
まさかこんなことになるだなんて思ってなかったんだ…
なんて言い訳だけど。
意味ないけど。
「分かったから、いちいちお礼言うなよ」
いーさんは笑いながら僕に振り替える。
困った。
…いーさんとアイツに同じ血が流れてるだなんて思えない。
アイツなら謝らなかったら何をするかもわからないのに。
いーさんは何もしない、ただ笑って、僕が気を遣うと怒る。
何で、いーさんとアイツは一緒なんだろう?
黙りすぎているといーさんがまた心配するから声を出した。
「癖なんですよ」
なんていって、意味しかなさそうな言葉だよね。
ないのにさ。
「これから学校行くならその癖はダメだろ?」
全くだ。
学校、と言われて僕の頭の中に浮かんだのは明流のことだった。
…刺されたって言ってたけど、学校来れるのだろーか。
「…そうですね」
「いーさんは子供の頃どんなだったんですか?」
聞いてみた、いーさんはこの容姿だしさぞかし人気者だったことだろう…
なんて言って、気づいたことがある。
いーさんの過去に「あかり」という存在がいたことに。
「…あずの想像してるのとは違うと思う」
あれ?想像していたのと確かに違う…。
「俺は子供のころは虐められて惨めな学校生活を送ってたんだ」
「それって、あかりのせいですか」
それなら、あかりは嫌な奴だ。
死んでも迷惑をかけるなんてどうしようもない奴だ。
…言葉に意味なんかないよ…。
「いや」
違う。
いーさんはすぐに僕の言った言葉否定して、僕の目を見る。
僕の死んだような目を、いーさんが澄んだように“見せた”目で見た。
「あかりと会う前の話だよ、あかりはそんな俺を救ってくれたんだ」
…あれ。
前言撤回しないといけなくなったよ。
僕のお兄ちゃんは嫌な奴どころかいい奴だったみたいで、僕には想像なんかできない。
聞いてみると、いーさんは詳しく入ってくれなかったけど(想像はつく
)虐められていて、そこをあかりがスーパーヒーローのように救ったらしい。
フィクション含む。
「あかりは、そんなやつじゃないですよ」
「いや、あかりは人気者でいろんな奴から慕われてる、俺にとってあこがれの存在だったよ」
…確かにあかりも容姿はいいほうだったけど、まさかあの変人で包丁が身体の一部のあかりが…
「あかりは何も悪くない」
いーさんがまた同じことを言って俯いた。