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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.2 )
- 日時: 2010/09/14 20:42
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
第二幕「レンアイカンジョウ。」
私が歩くと影がついて来る。
その後ろには君がいる。
後ろで楽しそうに話している君は、薄ら笑いを浮かべていた。
風が吹いてスカートがひらひらとした。
ああ、もう。どうしてスカートまで楽しそうなの?
私は口をへの字にしてから、前から走ってくる陸上部たちを睨んだ。
今日は体育の授業がきつかった。
正直言って足が棒になりそうだった。筋肉痛で痛い。
足がだるくて、そのうえ気だるくて。
「・・・どうすりゃいいっての」
ついて来る影にひとこと呟いてみた。
後ろを振り向くと君と目が合ってしまった。
駄目だ、絶対に心臓が叫んでる。
ぎこちない足取り。影に映る、恥ずかしい自分の姿。
話しかけてみろと叫ぶ心臓。拒否反応を起こす喉元。
明日にはきっと、今よりも心臓が呻る。
どうすればこれを止められるんだろう。
こちこちと鳴る目覚まし時計の音はいつもよりもやけに煩かった。
針はもう十二時を指している。
止まれ、止まれ、止まれ。
そう思っても止まることのない心臓の声。
時計の音。 外の虫たちの音色。 自分の息の音。
車のライト。 バイクたちの遠吠え。 自分の心臓の音。
うるさくなってしまった心に、カーテンを閉める。
すると心が軽くなってすぐに眠れる。
今、溢れようとする恋愛的感情を、どうすれば抑えられるだろう。それが私の最大の悩み。
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