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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 第1話更新開始 ( No.12 )
- 日時: 2010/09/21 20:23
- 名前: ソフィア ◆fwGIPea7qU (ID: nWEjYf1F)
「えーっと……ここどこだろ」
ひょろっとした体格で、どこか爽やかなイメージをかもし出す少年は呟いた。
彼の名は原町兼次。
福岡県の羅木高校に通う男子高校生だが、学校に行く途中に黒い光に包まれてしまい——
結果、見知らぬ場所へと来てしまった。
とにかく周りは黒、黒、黒。全て黒。
まるでブラックホールの中にでも放り込まれたのではないかと思う程に、彼の周りは黒以外の色という色が全て消滅してしまっている状態だった。
兼次がふと後ろを振り返ると、ハエの死骸にアリがたくさんたかっていた。
「おーい……だ、誰かいますかー……」
兼次は急に気味が悪くなり、大声を張り上げたが、叫んでみても始まらなかった。兼次は溜め息をつき、仕方が無いと言わんばかりに、ゆっくりと歩き始めた。
辺りには廃工場の様な物が連なり、それは掃除をすればまだ使えそうな物から、黒焦げになってしまって間違っても使えるような代物では無い物まで、とにかく様々であった。
しばらく経つと、兼次は歩いても自分には行く当ての無い事に気づき、仕方なくその場に腰を下ろした。そして、空を見上げて、
「うわー……まだ朝だったはずなのに」
と、顔を歪めた。
空は、闇の様に黒かった。
「……世界の終わり……なのかなぁ」
兼次はそう呟くと、その場に寝転がり、そのまま眠ってしまった。
だが、これは世界の終わりではなく、ある意味、世界の始まりの物語かも知れない。
その始まりが、彼らにとって良い事なのか、それとも害があることなのかは、別として考えて、ね。
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