ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.17 )
- 日時: 2010/09/27 20:47
- 名前: 狩人 ◆Puie0VNSjk (ID: /od6a26Q)
私、水無月恋は生徒会室でケーキを食べていた
友人の慎二君に作ってもらったケーキ
…そして私の好きな慎二君…
「キャー、わ、私何言ってるんだろう…」
そんなことを思いながら紅茶を飲んでケーキを食べながら優雅(?)に放課後を楽しもうとしていた
ケーキは普通のショートケーキ、慎二君はこれに隠し味を入れたといった
だから私はこのケーキを食べて隠し味を見破ることにした
私は、最初の一口を食べようフォークでケーキを刺した
バキッ
フォークが刺した物はケーキではなく皿だった
そのまま皿は真っ二つに割れた
「…あれ?ケーキは?」
あたりを見回した、そして衝撃の瞬間を見た
「ケーキが浮かんでる…」
なんとケーキが浮かんでい…た?
ただその姿は違和感があった、が
「ふふ、浮かんでいてもケーキはケーキ…貰ったー!」
フォークがケーキを刺…せなかった
「っ!消えた!?どこだ!!」
もう一度あたりを見回した
すると、何か掃除機みたいな音が横からした
そこはケーキがあった場所だった
そこには小さな黒い穴があった
「空間に亀裂?いや、穴か。何故こんなとこ…あ」
そんなことを呟いて穴を見た
穴を覗くと中にケーキが見えた
「んで、私たちを呼んだの?」
鬼はすこし怒っていた、顔は見えないけど声は怒っていた
でも私は構わず言った
「そう!あの穴にあるケーキをとってほしい」
「私たちは便利屋じゃないよ」
呆れた様に「ハァー」と溜息をついた
「え?でも天さんがこの前『何かあったら桜屋を訪ねなさい、君は可愛いからね、どんなことでもして上げるよ』って最高の笑顔で…」
その言葉を聴いた瞬間、鬼は天の首を掴んで
ズシャン!
穴に頭を無理やり突っ込んだ
「ぐはぁ!すまない!いや、本当に!!」
頭のない体が何か暴れながら言っていてものすごいシュールだった
「師匠生ぬるいです、上半身も…」
金髪の可愛い女の子、ミーナは鬼を師匠と呼びその顔がするとは思えない事を天にやっていた
「あーら、天くんは私という可愛い子がいながら、なーに他の女の子口説こうとしてるの?」
「すまない!でも恋ちゃんは本当に可愛いぃぃぃいいたたたたた、すみません!マジすみま」
「師匠がいながら…許せませんね」
「ちょ、ミーナはなに腹掴んで…いたいたたいたいたい!内蔵つぶすのだけは勘弁願いいぃぃいいいたいたいたい!」
もう、こいつら馬鹿かと
「…この穴は」
そんな中、一人クールな女性がいた
白衣の三日月は少し驚いていた
そして穴に手を触れた
「パラレルワールド」
『?』
その言葉を聴いた瞬間桜屋の人間と私は不思議な顔をした
「この穴の原理はまだわからないが、穴の先は別の世界に繋がっている」
「それって路地裏に繋がってるということ?」
「いや、路地裏とは別の世界だ」
三日月は少し考えるようなそぶりをした
「…すると、私の求めてるものが手に入るわけね」
鬼は「ククク」と笑って天の上半身を殴っていた
ミーナは天の下半身を持って上半身を無理やり突っ込もうとしていた
「ギブ!ギブ!上半身とかマジ勘弁!」と、叫びが穴から聞こえる
生徒会室が何かシュールな光景になっている気がする
いや、なっているか
「あ、水無月さん、ケーキおいしかったですか?」
扉を開けて一気にドン引きして慎二君は入ってきた
「あ、慎二くん、手伝って」
あまりにシュールで目的を忘れていた
「ちょぉぉぉおおお!!何で僕がこんなことしなきゃいけないのぉぉおおお!」
穴に入ってみんなで落ちないように手を繋いでケーキを取ろうとした
一番下、ケーキを取る役目を持つ天、次に鬼、私、慎二君、三日月さん、そして一番上にミーナ
ケーキを取ったらミーナが皆を引き上げるという作戦だ、失敗したら…
「考えたくないわね…」
小さな穴は天を突っ込んだせいで広がっていた
(わー、憧れの恋さんと手を繋いでる)
と、慎二は思う
(大好きな慎二君と手を繋いでる)
と、私は思う
(私は心が読めるから二人の気持ちはわかるが…まぁこのままにしてやろう)
と、三日月は思う
「絶対だからな!絶対に離すなよ!!」
どこかの芸人のような台詞を天は言っていた
天の手はあと少しのとこでケーキに届こうとした
そこで鬼が一言
「芸人だね、私は君に惚れたよ」
そういって天の手を掴んでる鬼が天の手を…離した
「うわぁぁあああああ……」
『えー!』
鬼以外のみんなが驚いた、仲間の手を離してどれだけ深いかもわからない穴に落とす
まさに「鬼」だった
したからは「もう惚れてるだろうが!」と、聞こえてきた
そしてその場面で私は泣いていた
「ケーキ」
「また作りますから」
そういって慎二君が慰めてくれた、やっぱりカッコいい
「じゃあ、とりあえず上に戻りましょ」
一番上のミーナがそういって手を引っ張ろうとして
「くしゅん」
くしゃみをした
両手を口で押さえていた
『…え?』
みんな何がおきたか理解しないで落ちていった
「え、えー!み、みんなー!!」
ミーナは穴に落としてしまった皆を追って落ちていった
「鬼の声がしたはずだが…」
月人とヨルは生徒会室に入った
だがそこには人の姿はなく大きな穴があった
「なにこれ?月人」
「俺が聞きたい」
その穴を二人は覗き込んだ
「わからないな、一応報告しておくか」
その瞬間もう一人の人物が入ってきた
「ミヤコさん登場!!はーしり高飛びぃ!!」
そういって走ってジャンプで生徒会室に入った
そして着地地点は月人とヨルのいる場所…
そして穴の手前
当然、三人はぶつかって
穴に落ちた
「うわぁあああああああああ」
こうして、ケーキを探す旅(?)は始まっ…た?