ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜こっちが本物です><;すみません; ( No.2 )
- 日時: 2011/01/21 13:42
- 名前: 遮犬 (ID: .pwG6i3H)
混沌の如く広がる黒い空。海、陸、何もかもが暗黒に包まれているかのように。
まさにこの状態のことを混沌というのだろう。
「狂え…狂え…! 私だけの世界…全て、手に入れる…!」
その混沌なる世界の中にいる黒い装束で身を包んだ男は目の前で渦を巻いているものを静かに、そして
微笑みながら見つめていた。その渦は、色と色が混ざり合い、永遠のない色の変わり。
「このツギハギの世界を我が手にっ!」
そして男は高らかと笑った。
そんな最中、とある平凡な世界ではいつものような変わらない日常を過ごしていた。
「だから…菓子をこぼすなっ!」
冴えない顔の少年が菓子を食い漁りながら椅子に座っている少女に怒鳴り声をあげる。
「いつものことだから大丈夫でしょ? あ、それより今日から始まる新しいアニメなかったっけ?」
「いつものことを直せっ! ていうか夕姫! お前会長だろうが! 一回ぐらい仕事したらどうだ?」
夕姫と呼ばれた少女はそんなことお構いなしに好きな菓子をボリボリと…腹が立って仕方がない。
すると少年の横から片手にPSPを持ち、もう片方で生徒会の仕事の用紙を書いているという
かなり器用な技を使用している影の薄い少女がいきなり立ち上がる。
「そうですよっ! 会長さん!」
「そうだっ! いってやれっ!鈴音ちゃん!」少年が影の薄い少女、鈴音に期待をかける。
「そのアニメは今私がやってるゲームのアニメ化なんですっ! 是非見に帰りましょう!」
「期待した俺がバカだった!!」少年はガックリと肩をうなだれる。
「まぁまぁ♪いつものことじゃないですか。はい、緑茶です♪」
少年の手元に緑茶を置いたのはパッと見、美少女としか思えない美男子。笑顔で緑茶を置いてくる。
「椿…ありが——ちょっと待て! 今夏なのになんでこんなに湯気立ってるんですかねぇ!?」
「暑い時は熱いものが一番ですよ♪」
「やめてその鍋を夏に食う時言う言葉みたいなの! そんな鍋理論はいいよっ! 冷たいのにしてくれ」
椿と呼ばれた美男子は笑顔のまま無言で立ち去っていった。…何か無性に鳥肌が立ったんだが。
そうこうしているとドアが開き、とんでもない美女がちょこっと顔を見せる。
「あら、みんなもういたのね?」その美女は自らの長い髪をかき上げながら部屋に入ってくる。
「あ、お疲れ様です。有紀さん! 早速なんですが夕姫のやつがまた…」
有紀と呼ばれた美女は「また?」といって静かに着席して話の中に入る。
この5人は生徒会、暴風警報。
彼らの今いる学校である時雨咲高校は"生徒会戦争"とかいうわけの分からん学校システムのせいで生徒会が多数存在しているがために存在している。
また、その中から一番人気の生徒会を本物の一つしかない生徒会ということにしているのだった。
ゆえに暴風警報もまた本物の生徒会を目指して活動中である。
会長、桜月 夕姫。菓子ばかり食べて雑務という仕事はしないが人気を集める仕事は最強に近い。
副会長、篠原 奏。冴えない顔をした暴風警報唯一の男子&正ツッコミ役。暴風警報には推薦枠で入った。
副会長、牧野 有紀。暴風警報の最年長さん。ただ外見に全く似合わないとんでもなくダークな性格。
会計、七瀬 椿。美少女なようで美男子。笑顔の裏には鬼が住んでいるともいわれる。
書記、国枝 鈴音。影が薄く、ゲーム大好きでヲタっ気のある少女。体が少し悪く、倒れることもある。
他愛もない話を毎日繰り広げる5人。それは穏やかで平凡といえた彼らなりの世界だった。
だが、世界は突然変わる。
「うん…? 地震?」
いきなり5人の足元を震え出す床。だんだんと震度は大きくなってくる。
「み、みんなっ! 机の下でもどこでもいいっ! 頭を守れっ!」
「いやぁああ!! 頭が壊れるぅうう〜!!」
夕姫が目を瞑りながら手探りで場所を探していた。
「お前はもう壊れてるから大丈夫だっ!」
「なんつったバカ奏っ!」
「今冗談いってる場合じゃ…あ、危ないですっ! 会長さん!」
椿が声をかけたのは夕姫宛てに、だ。
「え…?」
そして夕姫の上には落ちてくる岩のようなもの。
「夕姫っ!!」
奏が走って夕姫の体をタックルするような形で押す。
「きゃっ! …奏っ!」
奏は夕姫を押した後、自分が岩が落ちてくる下になってしまっていた。
「うわぁああああああああ!!」
奏の意識はそこで途切れた。