ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.41 )
- 日時: 2010/11/18 19:00
- 名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)
- 参照: http://noberu.dee.cc/bbs/dark/read.cgi?no
「刃桜っ!!」
『ぐわあああああああ!!』
黒服の男達がまとめて吹き飛んだ。
もちろん、情報収集の為に1人残しておくことも忘れなかったが。
俺は残した1人のもとに歩き、滅華を喉に突きつけながら言った。
「ちょっと知りたいことあるんだけど、いいかな?」
男は無言でうなずいた。
「このツギハギセカイって何なのか、それと俺をここに送り込んだアイリスってやつは何者なのか、とりあえずこの2つを教えてくれ」
男はつばを飲み込んだ後、一気に話し始めた。
「こっ…この世界は、あるお方によって無数の世界を融合させた世界なんだ。あ、あとアイリス様については…ある人に頼まれてやってきた異世界人だって言ってた」
「ちょっと待て。分からない事だらけだ。まず、あるお方って?」
「分からない。本当に何も知らないんだ。顔も名前も。知っているのは、そのお方が俺達のボスってことぐらいだ…」
「正体不明、いるかどうかもわからないボスの為に戦ってるのか?」
「ボスはいる。ちょっと前にお前と同じことをつぶやいた仲間が即座に心臓発作で倒れた。俺達をずっと見張ってたんだ」
正体不明のボス、か。謎は更に深まった。
「分かった……で、無数の世界を融合ってどういうことだ?」
「そのままの意味だ。世界はお前が住んでいる世界だけではない。お前は自分の世界しか知らないだけで、この世には数え切れないほどの世界があるんだ!」
「つまり……パラレルワールド、てことか…」
「お前達の言うところでは、そうだ。つまり、ここにはお前以外にもたくさんの人間がいるんだよ」
他の世界から来た人間、つまり、異世界人。
もし本当にいるのなら、仲間が出来るかもしれない。
「そうか………なるほど、だいぶ分かってきた」
俺がこの世界で最低限やらなければならないことがこれではっきりした。
組織とやらの謎のボスをつぶす。それで俺は元の世界に帰れる、ということだ。
ただ、その組織の規模がよく分からない以上、単独で乗り込むのはあまりにも無謀だ。
鍵は、他の世界から飛ばされた人間。
おそらくはその連中も元の世界に帰りたいはず。
共闘を持ちかければ乗ってくるだろう。
ようやく、目的を持って動けるようになった。
「さて……行くか」
「ま、待ってくれ!!」
男が慌てて俺を止めた。
「何だ?」
「アンタ、今からボスを倒しに行くんだろ? だったら、仲間がいる場所を—ぐっ!?」
男が急に苦しみだした。
「おい、大丈夫か!?」
男はのた打ち回り、声にならない声を上げている。
まさか、これがさっき言っていた心臓発作か!?
男はなおも苦痛に顔をゆがませていたが、俺の方を必死に向くと、何か言いたそうに口を動かした。
「何だ!? 何ていってる?」
俺は男の口に耳を近づけた。
「な……かま…さが、せ……1、2ば、ん…に、ひと…り、か…くにん…し、た」
「12番? 何のことだ!?」
「こ、こ……いち……ば…」
そう口にすると、男は息絶えた……
12番。一体何を意味しているのだろうか…