ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜      ( No.51 )
日時: 2010/11/23 15:25
名前: 狩人 ◆Puie0VNSjk (ID: /od6a26Q)



「ここは?」

私たち、鬼と天はどこかの世界に飛ばされた

「んーっ、ミーナたちとは離れたみたいだな」

「まぁあの子達には三日月が居るから大丈夫でしょう」

そう言って私は刀を抜いた

「情報収集、処理、演算…発動」

私の刀に宿る能力の一つ、「情報」

半径1キロ以内なら殆どの情報を得ることができる

(…何もいない?生き物が500メートル以内には…」

「どうした?」

「生き物が居ない」

「は?どういうことだ?」

天は不思議そうに辺りを見渡した

五感の優れている天はこの近くに生き物が居ないことを確認した

「まずいな、あいつらとは相当離れているぞ」

「うん、早く見つけて…」

その瞬間だった、ちょうど1キロ地点

北、南、西に三人の人影あった

その姿を見た瞬間鬼の体がゾクリと震えた

そしてニヤリと笑った

「コート、太陽、桜、神」

「は?」

「私たちと今言ったのは私たちと同等、もしくは限りなく近いそれ以下の強さを持つ者達」

「……」

「楽しみね」

「桜って言うとまさかあいつか?」

「あの子でしょうね」

「あいつも飛ばされたのか…だが、神ってのは?」

「…私以上の力を持った「アイツ」よ」

「はぁ!?それっておま!…正直この世界の住人じゃ勝てないぞ!?武神でも呼ばない限り…」

「いいじゃない、今は私のほうが強いわ」

あきれたように天は顔を手で隠した

そして「遠近無視」とつぶやいて刀を縦に振るった

大きな音と共に、一直線の道ができた

辺りは砂煙に包まれたが鬼が二本の刀で「孔雀」とつぶやいて刀を振るった瞬間砂煙が収まった



私たち二人は裏社会最強…いや、人類最強と呼ばれている

だが、私は自分を下だと思っている

何故なら、私は自分以上に強い「武神」という者を見てしまったから

片手で、それも手首も曲げずに私を捻りつぶして地に伏せた

『弱いな、下の中ってとこだ』

『もし俺に勝ちたいならせめて下じゃなくて中くらいにはなってくれ』

『張り合いが無いんだよ…お前ら、強い相手とひたすら戦ったことあるか?』

『無いならやってみろ、楽しいぞ?命を賭けるのは』


この言葉を放たれた私たちは、それ以来ずっと強い敵と戦い続けている

「行きましょう、天…神様を倒しに」

「鬼…俺は太陽と戦ってみたいのだが」

「ならここで一旦別れましょう」

「そうするか、適当に連絡する時は地震でも起こしてくれ」

「分かったわ…健闘を祈るわ」

「誰に向って言ってるんだ?」

二人は笑って別の方向に走り出した

強者が居る、その戦場に向けて