ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜      ( No.53 )
日時: 2010/12/22 15:13
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)

当たり前の結果だとばかりに頷くネルに対し、ジャックは納得がいかなかったらしい。 腰の刀、流れ星に手を伸ばす。 実力の方が伴っていないと判断されたと思ったのだろう。 
辺り構わず斬り付けた。 酒場の店主からしたらたまったものじゃないだろう。 だが、サタンの厳しい表情は変わらずジャックへと向けられる。

「実力は確かに素晴らしい、魔術を除けば恐らくこの中で私に並ぶだろう。 だが、相手は魔術どころか未知の能力を扱う。 まず魔術なしでは対抗出来ないだろう、上級魔術を余所見しながらでも扱えるようになってからだ」

「な……止めろ、放せコラ! オイ! 人の放し聞けってチョット待て……ッ!」

そういうと、サタンは暴れるジャックの腕を掴むとその場に溶ける様にして消えた。 居た場所に、銀製の小さなペンダントが残る。

「……なんでジャックがこれを持ってた?」

そのペンダントを拾い上げるとネルはまじまじと見つめ、ため息をついた。 どうやらろくでもないものらしい。

「それ、何?」

流が危ないものでも見るかのようにそれに顔を近づける。 その直後、

「わぁッ!」

ネルは突然ペンダントを流の顔に近づけた。 流は驚いて顔を引っ込める。

「何するんですか !?」

流は明らかに呆れながらネルを軽く睨む。

「なにってさ、これ鍵だよ。 しかも神門の。 門番共が、サボってるな」

それに対し、ネルは面白そうに悪態をついた。 しばらくすると、ジャックが鎮めた酒場に活気が戻ってきた。