ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜     第1話更新開始 ( No.9 )
日時: 2010/09/18 17:22
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: lD2cco6.)

私はその地震をいつも通りの地震としか思っていなかった。それ位、私の世界では地震は当たり前のことだった。
それがいつもの地震と違うと分かったのは、地震が終わった後の周りの風景を見てからだった。

「ここはどこ?」

とにかく気分が悪い、こんな風景生まれて始めてみた。
静かな草原を照らす二つの月、穏やかで暖かな風……意味が判らないとしか言いようが無かった。とにかく始めて見る場所だ。
おかしい、私はついさっきまで伊藤さんの部屋にいたはずなのに……
周りを見てみる、ん?
目線の先にはどこかで見た事あるような少年がたっていた。
見つめていると、少年は気配を感じたのか、こちらに振り向く。
嫌味なほど整った凛とした顔に、翡翠の目、左目には眼帯、焦げ茶色の髪……

「イチイの弟じゃん……」

近付こうとした途端に、イチイの弟の目が緑色の妖しい色の光りを放つ。
思わず私は歩く足を止める。
イチイの弟は人差し指を立て、

「此の世界はツギハギの世界なり、戻りたかるぞば真実見つけ、ツギハキを元通りにするのみ……」

そう言って霧の様にイチイの弟は消えていった。
意味わかんないから。
先ほどまでイチイの弟がいた空間を見つめながら、私は叫んだ。

「ふ・ざ・け・ん・じゃ・ねええええええぇぇぇぇぇぇぇえぇえええええええええええええええ!!!!」

その叫びは木魂となって消えた。誰かの耳に届いたかは分からない。