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Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』 ( No.10 )
日時: 2010/11/11 18:43
名前: 螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)

【05】

「だ、大体、どうして俺が超能力使えるんだよ!?今まで生きてきたけど、そんなこと・・・・」



「これよ。」



真奈は蓮の言葉を遮り、綺麗な赤い宝石が埋め込まれた指輪を見せた。
指輪には模様が刻まれており、見るだけで神秘的な物だ。
「これはマルム・リング。触れただけで超能力を得られる優れ物よ。」

「・・・・あっ!?」

蓮はこの時、真奈と出会った日のことを思い出した。


指輪を拾った瞬間、痙攣が起こり手足が麻痺した。


「それは副作用。それにしても、あなたも不運ね。」
「お前が落とすのが悪いんだろうが!!・・・ってか、一体お前やその指輪は何なんだ!?」
蓮の言葉に、真奈は頭を抱え込んだ。
しばらく悩んでいると、何か閃いたのか、頭をあげて頷いた。

「よし!!グレゴリーさんに説明してもらおう!!」

「はっ?お、おい!!!」

真奈は蓮の右手を掴むと、そのまま強引に屋上を後にした。


────────

秋葉原

かれこれ歩いて20分、2人は秋葉原に来ていた。
と言っても、歩いている場所はビル群の間である。
「おいおい・・・一体どこに行く気だ。」
「あそこよ。あのバー。」
真奈は蓮の右手を離すと、ビルの下にある喫茶店に指さした。
2人は喫茶店まで歩き、真奈が再び指を指す。


「バー‘GRAY’。地下にある寂れた店よ。」


喫茶店の横に、地下に通じる階段があった。
階段を降りたすぐの所に、「GRAY」とネオン文字で書かれたドアがある。
「グレゴリーさん、彼が例の人よ。」



「ん?なんだ、この若造か?」



真奈がドアを開けると、そこには白髪をオールバックで整えた老人がいた。
黒いシャツに黒いズボン、上から紅色のエプロンをし、箒を持っている。
「ど、どうも・・・・・」
「ひ弱で馬鹿面の若造だな。で、能力はなんだ?」

「風・気圧を操る能力っぽい。」

真奈がグレゴリーに言うと、グレゴリーは鼻で笑った。
蓮は何を言えばいいのか分からず、ただ呆然と立っていた。

「来い。超能力者になったからには、世界の住民だとしても聖界のことを知っておかねばならん。」

「は、はい?」

蓮は謎の言葉に翻弄され、グレゴリーの後を文句も言わずについて行く。
いや、ついて行くことしかできない。
真奈も2人の後ろをついて行き、そのままバーの奥にある部屋に入った。

「座れ。お茶菓子はいるか?」

「い、いえ・・・結構です。」

蓮はパイプ椅子を無愛想に出され、とりあえず座った。
真奈はベットの上に座り、グレゴリーは回転イスに腰掛けた。
「それじゃ、話そうかのぉ。」




「‘聖界の現在の状況’と‘超能力者の運命’をな。」