ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』7話までUP ( No.12 )
- 日時: 2010/11/21 13:31
- 名前: 鷹の目&螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)
【06】
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聖界にある円形の孤島_______
大きさは日本列島程で、中央に犯罪を犯した能力者を収容する刑務所がある。
刑務所の名は、“ウァーニタース”。聖界史上、鉄壁の刑務所と呼ばれている場所だ。
超能力犯罪者は、地下300キロまであるフロアの別々の牢獄に監獄されている。
そして、フォルトゥーナという超能力者は最下層に監獄されていた。
聖界で最も最強で最悪の能力と言われ、ウァーニタースの最下層に閉じ込められていた。
脱獄は不可能と言い切れるほど鉄壁且つ無敵で、脱獄した者さえいない。
が、フォルトゥーナは脱獄した。
それも最下層で、120%無理な場所から_____
聖界を震撼させたこの事態に、刑務所の看守や聖界を警備する“守護官”は全力を挙げて捜索した。
挙句の果てには、聖界の政府“パークス”までもが動き始めた。
しかし、フォルトゥーナは誰にも姿を見せることもなく、刑務所から脱獄していた。
そして、その出来事をきっかけに、超能力者の運命を左右する事態が判明した。
パークスは聖界の住民にそのことを伝えようとしたが、住民の暴動に脅え公開しなかった。
『フォルトゥーナによる世界への侵攻』
聞くと、聖界にとっては他人事に聞こえるが、これは‘2つの界’の運命がかかった出来事なのだ。
この世は、世界と聖界の2つの界で成り立っている。
もし、どちらかの界が壊れれば、生き残った界は消滅する。
フォルトゥーナの目的は、超能力者の軍団を率いて世界を掌握すること。
さらに、聖界を掌握して、全ての頂点に立とうとしている。
フォルトゥーナは、2つの界を支配し、遊ぶだけ遊んで、最後は潰すつもりなのだ。
結局は、フォルトゥーナを殺す以外、2つの界を救える方法はないのだ。
フォルトゥーナを殺さなければ、善の人類も善の能力者も殺され或いは奴隷の人生を送ることになる。
浅く考えれば、この問題の解決方法は1つだけ。
これを救えるのは、同じ立場上の超能力者になる。
超能力者1人1人は、フォルトゥーナを殺す運命を辿るのだ。
光が闇を消し去るか________
闇が光を覆い潰すか________
超能力者になったには、いつ攻めてくるか分からないフォルトゥーナに備えて訓練を積まないといけない。
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グレゴリーは話し終ると、蓮の顔を見た。
真奈も、蓮の顔を横から覗き込む。
「ば、馬鹿じゃねーの!!ふざけんな!!誰が、そんなアニメやゲームみたいなことを信じるか!!!」
蓮はそう言い放つと、足早にバーから出て行った。
真奈は止めようとしたが、グレゴリーが止めた。
「気にすんな。何れ、分かるじゃろお。」
「・・・・・私の失態です。これは、私が責任を取ります。」
真奈はそう言うと、蓮を追いかけてバーから出て行った。
「馬鹿もんが・・・・。巻き込んだら、もう間に合わん。終焉を見届けるまで、終わらん。」
グレゴリーはお茶を飲み、席から立ち上がったのだった。